第8話
「ちょ……ちょっと2人とも……」
そう言った瑞依の言葉は見事に無視された。
2人の言い争いにも似た会話は長々と、徐々に激しさを増していく。
……な、何でこんなことに……。
2人は仲が良いのか……悪いのか。
「とにかくっ、私は瑞依が立候補することには反対ですわ!」
妃は勢いよく立ち上がった。
「俺も本音を言えば反対だよ!
けど必ずしも危険とは言えないだろっ」
慧汰もテーブルを叩きつけ立ち上がる。
「……危険に決まってますわ」
「ひ、妃……」
妃はそのまま無言で食堂を出て行った。
「なんっだよあいつ!」
慧汰はドカッと腰をおろす。
「もう……やめなよ女の子相手に」
瑞依は慧汰をなだめるように言った。
「頭が固いんだよあいつは。
俺の言い分聞いてるようでまったく聞いてねぇし」
「はいはい。
とにかく落ち着いて……」
もう……みんなこっち見てたじゃん。
瑞依は恥ずかしさで顔が火照るのがわかった。
「……お前、よっぽど大事に思われてんだな」
「へ?」
「あいつがあんな感情剥き出しにして怒ったの見たことねー。
いつも"嫌悪"なら感じてたけど」
慧汰はふぅとため息をついて頭を掻いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます