第7話

「なーんてな。

冗談だよ」



慧汰はニヤッと笑う。




「ロクグミだからとかなんとか、別に関係ねーよ。アホらしい」




「え、慧汰は署名してないの?」




「いや、それはホント。

真面目に署名してきたよ。

でも……俺はただグリムと戦いたいから立候補しただけだ。

あいつらを許せないから」




「……ふーん」




慧汰って、意外と正義感が強いんだなぁ。



……前に、自分の為だけにこのチカラを使うって言ってたのに。





「だからさ、別に無理して立候補する必要ないと思うぜ?

やる気ない奴が隊員になっても仕方ないだろ。

ロクグミだから戦えなんて、それこそ強制だ」




「あ……うん」




……見透かされてた。





「あたしはしないつもりだよ。

あたしなんかが隊に入っても、役に立たないし」



瑞依は苦笑した。




「……それも変じゃん?

要はやりたいかやりたくないかだろ。

お前だってロクグミの1人だ。それなりにチカラはある」




「でも流さん、瑞依はまだ覚醒して間もない……しかも女の子なんですよ?」




「はっ……よく言う」



慧汰は鼻で笑って妃を見た。




「女だろーが何だろーがノルンには関係ないってことは、そんなチカラ持ってるあんたが一番よくわかってるクセに」




妃はムッとした表情を浮かべる。




「じゃあ流さんは、瑞依が危険な目に遭ってもいいと、そうおっしゃりたいのですか」




「違う。

だから俺は無理する必要はないっつってんじゃん」



慧汰も負けじと不機嫌な表情を浮かべる。




「ではそれでいいじゃないですか。

余計なことを言って瑞依を引き込まないでください」




「は?何だそれ。

俺はただ瑞依がやりたいなら、その力があるっつってんだよ」

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