第5話
『また、わしは強制をしようとは思わん。
隊員は、立候補者のみとする。
今から5日後の昼までに、立候補者は各担任の先生に申し出ること。
よく考えてから、申し出るように』
博士の瞳が、その真剣さを物語る。
『その活動内容や目的、詳しい話などはその立候補者達のみに話す。
皆を守りたい、悪と闘いたい、そう少しでも思う者は、立候補を願う』
その言葉を受け、周りの生徒達がざわつき始めた。
『親愛なる我が学園の生徒諸君。
どうか、怯えないでおくれ。恐怖は混乱を招き、奴らの思惑にはまってしまうだけじゃ。
よく、自分達のあるべき姿と場所を、考えるのじゃ。
……では、皆風邪などひかぬようにな」
博士は最後に優しい微笑みを残し、映像は消えた。
―…
「……瑞依?」
「あ……ごめん。
ちょっと考え事してた」
「考えますわよね。
私達には……立候補権があるんですもの」
妃がまた複雑な表情をする。
「それに、ロクグミのあの反応……」
「……うん。
ああやって博士の言うことがおかしいって言うのは、全員じゃない。
なんたって……ロクグミはみんなやる気満々だもんね」
瑞依はため息を落とした。
博士の話の後に沸いた、ロクグミの反応を思い出す。
「ロクグミは皆、自信がある方ばかりですからね。
レベル6はトップクラス。皆さん今まで、ノルンに関しては"挫折"という文字がないのでしょう」
「ほーんと……エリート意識の塊なんだから」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます