第4話

―…









「たく、何考えてんだよ理事長は」




「俺たちに何ができるっつーんだ」




「相手はあのグリムでしょ?……無理だよ」




「SPFに任せるべきよね」




「矛盾してんじゃん。

"わしが君らを守る"んじゃないのかよ」





ノルン学園の食堂では、そんな声達が飛び交っていた。





「……何だか、大変なことになったね」



瑞依はグリムの話に夢中になっている生徒達を見て言った。




「本当ですわね。

まさか理事長がそんなことをお考えだったなんて……」




「……」




瑞依と妃は複雑そうな表情を浮かべ、箸を進めた。





「……ねぇ、妃は……どうするの?」




「わ、私は……そんな。

……瑞依こそ、どうなさるのですか」




「えっ……あたしは……」





……まさか、こんなことになるなんて。



グリムとSPFだけじゃなく、あたし達学園も戦うなんて。



理事長の考えがわからないわけでもないけど……。






―それは、数時間前のことだった。





『君達に言うておく。

この"ノルン学園特殊部隊"は、16歳から20歳の学園生徒のみで構成する。

また、隊員になることができるのは、レベル5以上の者とした』

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