第4話 こんなに弱いの?
今日は退院だ。
「今迄お世話になりました」
「うむ、もうこんな事はしないで強く生きたまえ!」
「そうよ、死んで良い事なんてないわ!」
「はい、これからは強く生きます!」
猫を三匹位被って笑顔で好青年を演じた。
「本当にもう良いのね?お母さんまた学校に行って来ても良いのよ......辛かったら転校しても良いのよ!」
「大丈夫だよ母さん」
この母親は前の世界の母親と違ってクズじゃ無いからな、出来るだけ傷つけない様にしよう......そう思った。
家に帰ってきてから色々見た。
竜星が書いた遺書に......やられた事の数々。
きちんと、証拠まで揃えてあった。
これなら、俺が暴れた所で幾らでも言い返せるだろう。
そしてあくる日俺は学校に行く事にした。
「本当に大丈夫なの! お母さんついていこうか?」
「大丈夫だって!これからは強くなるって決めたからさぁ...やられたらちゃんとやり返すよ!」
学校についたら職員室に行くよう百合子から聞いたので職員室に行った。
「お前な......ただ殴られたりしただけで自殺なんてするなよ......迷惑なんだよ」
「そうですね、言われてみたら大した事無かったです」
「そうそう、やり返せないお前が悪いんだ、死のうなんて考えず、男ならガツンとやりかえせ」
「これからはそうします」
「女の子に虐められるなんて情けないわ......言い返したりやり返せば良いのよ」
「解りました」
言質とったからな......
ちゃんとボイスレコーダーに取ったぞ!
そのままクラスに向かった。
すると嫌な声が聞こえてきた。
「竜星また学校に来たんだ、良く来れたよな!」
「大丈夫なのか彼奴、また虐められるんじゃないのか?」
「おい竜星お前が面倒くさい事したからよ、困った事になったんだ昼休み裏庭に来い」
「こんな事で逃げられると思うなよ......お前が死ぬまで終わらないからな」
「ぎゃははは......惨いわこれ、竜星死んじゃうかもね?」
此奴らが、俺の孫を虐めていたわけか。
「今日は徹夜くん達が先かぁ......まぁ譲ってやるよ!」
「じゃぁ、私達は明後日予約ね......新しいスマホのお金が欲しいんだよね?」
何だこいつ等、不良の不の字も無いじゃないか......まぁ言っている事は真面じゃないが。
何処にも怖さがねーな。
取り敢えず昼休みに裏庭に行けば良いんだな。
◆◆◆
なんだ此奴ら......
「よく来たな...竜星、お前が自殺未遂なんてするから親に怒られたんだよ! なめた事すんじゃねーぞ!」
「ああん! とりあえず有り金出して土下座しな、そこからだ!」
「早くしないと、また殴っちゃうよ!」
たった、3人しか居ねーじゃんか.......
「お前ら俺に喧嘩売っているのか?」
馬鹿にしているのか?
まだ、殴ってもこねー
「バーカ、当たり前じゃないか? あーん......えっ」
俺は鼻面を思いっきり殴った。
良い音がしたから......こりゃ鼻が折れたな。
「痛てーーーっああああああああああっやめやめやめりょうーーーっ」
鼻面を殴って蹲ったら、蹴りを入れるのは当たり前だろう!
こんなの基本中の基本じゃねーか?
なぜ泣きわめくわけ?
理解出来ねー。
ひたすらボールを蹴る様にあたり構わず蹴りまくる、特に頭部は面白い......手で顔を庇っている状態で鼻を押さえているが、それでも上から蹴られると地獄なんだよな。
「いたっいやいやめろう」
何で他の奴らが掛かって来ないんだよ......もう此奴スクラップじゃんか?
三人なんだから、こうなる前に助けに入るだろうが......馬鹿か......
「おい......お前何やっているんだよ!」
「普通に喧嘩じゃないか?」
話している間にも足は止めない.......
血が飛び散っていて......まぁ此奴はもうスクラップだな。
「だからって、何で此処まで.......」
もう此奴は動けないな.......
「お前ら何やっているの? 喧嘩の最中にぼうっとして!何で掛かって来ないんだ?」
「えっ......ちょっと待て、なぁお前ここ迄の事は俺はして......うわぁ」
「うるせーんだよ!お前ら俺を何回殴ったか覚えてないのか? 1000回以上なんだぜこんなのお試しだろう?」
何でこんなのにやられるんだよ......鼻の骨折ってけりぶっ込んでいるだけだぞ、普通に不良ならその後喧嘩続けるのが当たり前だ。
こんな事で泣きいれる奴なんて知らねー 浩二だって少なくとも何発か入れてくるぞ。
「おいっ」
「ひぃいい殺さないで」
「明日から1人毎日5000円ずつ持って来い......それで幸せな毎日が送れるぜ」
「しょんなおかね......無理でふ」
「無理じゃねーんだ......お前ら散々俺からむしり取っていったじゃん? 俺は借金の取り立てをしているだけだぜ」
「おれりゃ......そんな金しやね」
「世の中は利子がつくんだバーカっ!払えないならそうだ、指一本で良いや! 祓えない日は指1本寄越せよ」
「指? うしょだ」
「俺はヤクザじゃ無いから斬らないよ? こうするんだよ.....」
「やめ、やめやめろーっ」
俺は徹夜の人差し指を持って、そのまま折った。
指一本折っただけで何で泣いているんだよ?
本当に弱いなこいつ等......
「指1本は挨拶だ。明日から金を出せば折らねーでやる。今日は仲間同士で揉めて喧嘩したんだよな? 俺が何かした訳じゃ無いよな?」
「「「えっ」」」
「お前らが喧嘩している所を偶々俺が通りかかったんだよな? 違うのか?」
「そんな」
「よく考えろ! それなら明日からお金を持ってくるだけで終わる......違うならまた体に教え込むだけだ......追加で、指何本行こうか?」
「僕たちはたや仲間で喧嘩していただけでしゅ...」
「そうでしゅ」
「そうだゅ」
「それなら良いんだ......明日から5000円持って来いよ? それでチャラにしてやんよ! 卒業したら終わりにしてやる..じゃぁな」
何だ此奴等......本当に不良なのか、弱すぎんぞ!
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