一昨日の愚痴
星影瑠華
一昨日
「え、2人って付き合ってるの?」
クラスメイトは私を抱きしめて離さない彼女と私を見比べた。
「いやいやいや。」
彼女は即座に否定した。
「私は恋愛対象男だし。」
「元彼でこりたし。」
「当分、そういうのいいかなって。」
え。
何それ。
「君しかいないよ。」
「クリスマス一緒に過ごそ?」
「大好き。」
「他の子の事好きとか可愛いとか言わないで。」
「部活終わったら迎えにきてよ。」
「今日も電話しよ?」
「君さえいればいいよ。」
「私、君の彼氏だし?」
全部、嘘?そっか。
わからなかった。
目の前の彼女が誰なのかわからなかった。
別に彼女にそんな意図なんてないのわかってた。
恋愛対象は男だって、知ってた。
元彼でこりたって、知ってた。
でも、なんでこんなに裏切られたように思えるんだろう。
きっと、私はどこかで期待してた。
そういう意味の好きなのかなって。
きっと、私はどこかでそういう目で見てた。
そっ、かぁ。
言葉にならない、絶望。
絶望してることに対する驚き。
感情の大渋滞に押しつぶされて、動けない。
私、勘違い野郎だったの?
私、キモいなぁ。
夜、布団の中。
涙が止まらなかった。
裏切られたわけじゃない。
私は…私は…
彼女が恋愛的に好きだったんだな。
布団に入っても足先が冷たい。
生きていることを拒否するような冷たさ。
そのまま飲み込まれて消えてしまいたかった。
1時間ぐらい、泣いた。
彼女のこと、恋愛的に見ちゃってた。
もう絶対、彼女のこと本気にはならない。
彼女の大好きにも、抱擁にも、君しかいないよにも。
ときめいてはいけない。
夜の冷たさが私のLOVEをLIKEに溶かしていく。
もう、好きにはなっちゃいけない。
人は結局裏切る。
違うか。
私が人を信じすぎちゃうんだ。
間違えていたのは、私なのかな。
誰かに愛されたい。
勘違いとかもう嫌だよ。
誰かに愛されたい。
でも、もう私は誰の愛も信じられない。
夜の帷に飲み込まれて、消えていってしまえ。私。
一昨日の愚痴 星影瑠華 @Ruka-ningen
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