第17話 読みやすい文章
祐里さまの読みやすい文章とは……のテーマに勝手に食いついたのですが、三島由紀夫の文章はやっぱり読みやすいですよね。
文法、段落内容、構成、説明の順序、のような理論においては全く隙がない。
それが当たり前にできるからこそ、”複雑な出来事””複雑な心情”が書けるのではないでしょうか。
ちなみに、学校教育の国語で教えているのはざっくり言うと、
いわゆる5W1Hの把握
指示語の内容
接続詞の役割
段落ごとのまとまり(説明的文章)
登場人物の心情(文学的文章)
要約
本文の一部を利用して、自分のことを書く
です。
偏差値55以上くらいで、本文の8割以上正確に理解しているという印象。
偏差値53あたりから、本文の7割理解。
偏差値50を切ると、本文への理解は5割程度かと。
たとえば、国語のテストで選択肢問題を作るときはこうしています。
本文を「赤」だとすると、選択肢1234の作り方は……
1、赤→正解
2、ピンク→不正解
3、オレンジ→不正解
4、青→サービスで作った大不正解
「似たような表現が並んでいますが、本文が赤だと分かれば選べますよね」ということなんです。
4を選ぶ人は流石にいませんw
ピンク、オレンジに関しては、「その選択肢を選びそうな人を思い浮かべ、その人が考えそうなことを、本文に出ている言葉で表現する」と見事にひっかけることができますw
もう一つ手がありまして、「本文に無い、拡大解釈」の選択肢です。本文に根拠がない。
どちらも、”読み手の妄想”に×をつけるのが目的です。
あくまで国語は、作者の言いたいことを正確に読み取った”後”に自分の意見を持つ、という順番をやっています。
小〜中の9年間、本格的に国語をやっても、アレ?って感じなんで、
「正確に読んで作者と同じ世界観を楽しんでいる人は2〜3割」
「大体を把握して、自分の空想で補っている人を含めれば全体の5割」
「読む本が限られる、活字が好きでない人が残り5割」
なのかなという印象です。(ちなみに高校からは、偏差値に合わせてカリキュラムが違うので外して考えています)
個人的には、学校教育は基本的な読み書き計算の力を重点にして、高度な鑑賞能力は別で考えないといけないんじゃあないかなと思っています。
「読みづらくてもいい」という方は、地頭が良いのかなと思うので、教育ではなく、文化・文芸の領域かなと思います。レッツ図書館・本屋的な。
教育話おわり
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