第16話 金閣寺29ページをお開きください。
『その旅は物悲しかった』
から始まる、電車内の風景。
こういう一文から始まる強気な文章を書いてみたいものです。
そういわれたら、こちらの心の中に悲しい風景が呼び起こされます。
そしたら、そのあとの描写はなんでも悲しく見えますよね。
自分で書いていてわかったのですが、私は脳で情報を処理して、心で情景を思い描いているんだと。
私にとって三島文学は、
脳:心:魂=2:5:3
で読んでる気がしますね。
村上春樹文学は、自分の場合
脳:心:魂=3:6:1
かな。
魂は、おそらく価値観、主張、自分との類似であり、これが大きいとイマジネーションの広がりと深さが一気に増すような。
脳で読む、は意外と燃費が悪い。
心で読む、は早いけど主観が混じるから良し悪しある。
話がそれましたが、父との交流のなんともいえない距離感が、ね。
はっきり好きだとか嫌いだとか、尊厳してるとか軽蔑してるとか言えない”人間関係”が出ている。
親子を書くのが難しいというのは、そういうとこだと思うんですよね。
これは、後から出てくる母との関係がわかるとより沁みる。
♢
そしていよいよ、ナマ金閣寺です!
結論から言うと、
はじめてのルーブルはなんてことなかったわ(by宇多田ヒカル)
エンドですwww
ちょっとホッとした。
私も、修学旅行で実際見たときは、アレ?って思ったからwww
ただ、もちろんそこでこのエピソードが終わるものかと。
まず、”大したことなかった”を感じさせる描写がやはりすごくて、自分が修学旅行後の壁新聞を作る頃にタイムスリップできるなら、この描写を丸写ししたいくらいwww
人間て、”大したことない”って思った後、なんでそう思ったとか深く考えない。
それが言語化されて目の前に現れると、「そうそう!私が感じていたのはこういうこと!」って思って、ミシマスゲーって感動する反面、ミシマセンセー長生きできなさそー(;ω;)と妙な納得が出てきマスデス。
いつか、ミシマAIができたら自分の感情や考えを三島先生が代弁してくれるかもしれませんね。
そしたら吃りがない人間が無口になり、溝口増殖現象が起こるかもしれませぬ。
あれ?溝口の名前、もしや、世界と自分との溝を自分の口が作ってるって意味?
♢
もう一つは、ミニチュア金閣寺ラブ♡のところ。
そう、ミニチュアって可愛いよね。
ここに小宇宙感じちゃう溝口。
いつだって壮大なんだよ三島ワールド。
そんな感じで、金閣寺との初対面が終わります。
こっから度々金閣寺が出てきて、金閣寺が生きているように感じます(読者が)。
つづく
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