第2話 コイビトごっこ
「それより、そのびしょ濡れの着物をどうにかしようぜ」
「そんな事言われてもどうするんですか?」
まあ、服が濡れてるのも嫌だけども。
「仕方ねぇ…じっとしてろ」
するとキラッと光が舞う。
きれい…
…あれ?服の濡れた感覚が無くなったような…
「え?ええっ!?」
いつの間にか身に付けてた着物は見たことのない衣服に変わっていた。
「驚いたか?」
とククッと笑う彼。
「何これ凄い!見たことない服だし、この力?も凄い!」
「これは魔法って言ってな、まあこの事は誰にも絶対に内緒だ。いいな?」
「…?うん」
なんでこんな素敵なことを言っちゃダメなんだろう?分からないや。
「ん」
「え?これ貴方の上着だよね?」
「羽織っとけ」
「え?」
「着てる服と合わなくても我慢しろ、風邪引くぞ」
「いや、そうではなくて…」
「文句か?」
「いや意外と優しいんだなぁ…って」
だって俺様なのにこんなに優しいの驚くでしょ。
「女には優しくするのは当たり前だろ?」
いや、意外と紳士かよ。
今までの意地悪は何だったんですか?…とは言えないけどさ。
優しさには素直になるべきだ。ってお姉さんが言ってたもん。
「そろそろ暗いから俺の家に行くぞ」
「はい」
なんか、緊張するなぁ。
「今帰った」
「おかえりなさいませ、坊っちゃん」
「俺はもう20だ、坊っちゃんはやめろって言ってんだろ」
「はいはい、そーですね」
めっちゃ軽口言ってんな、この執事。
てか、坊っちゃん…?
どういう家系で?
「で、そちらのお嬢さんは?」
「俺の恋人だ。今日からここに住む」
「あ、萌黄と申します…よろしくお願いいたします」
やっぱ緊張する…
「やっと坊っちゃんも身を固めてくださるのですね」
「嗚呼、どこかの誰かさん達がうるさいからな」
「そりゃ、坊っちゃんは跡継ぎではないですが、大事なことですから」
「ハイハイ」
やっぱりやんごとなき家なの?
「俺は部屋に行く、勝手に入って来んなよ」
「はいはい、承知しました」
部屋に着いて私は聞くことにした。
「あのー…?ここってやんごとなき家であったり…?」
「そうだが何か?」
「えぇ…」
「お前もオ姫サマだろうが」
「そうですけども」
確かに姫だけどさ、大丈夫?
権力争いとかない?
「ちょっと、怖いかも…です」
すると、彼は近づき。
「大丈夫だ、俺が巻き込んだからには俺が守ってやるよ、お前は曲がりにもお姫様だからな」
と私の手の甲にキスをした。
「仕事をする分には
と笑う。
私は顔が熱くなるようなそんな感覚になっていた。
To Be Continued
もし許されるなら月光の下で 揺月モエ @nakamoe0429
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