2043年:同一線上の理想郷(ディストピア) 第四章

 さて……何から話をしましょうか。

 事はあまりに複雑で……そして、とてつもなく入り組んでいます。でもまずは……そうですね。あなたの知らない、帝国の素顔からお話しするのが、きっと一番良いのでしょう。

 大ユーラシア帝国……偽りの歴史では、その成立は百年近く前に遡りますが、実際のところ、この国の建国はたった六年前です。あなたが、具体的に何月何日にワクチンを接種したかは分かりませんが。その日から、少なくとも一ヶ月と開いてはいない筈です。つまり……

 あの全国民へのワクチン接種。あれこそが、百年以上にも渡って進められてきた計画の、最終段階だった訳です。

 さて。そうなると、もうお気付きでしょう? あなた方がワクチンだと思って接種したあの中には、今で言うところのEV。生体ナノマシンが含まれていたのです。

 すなわち、ワクチンを接種したあの瞬間、あなた方は籠の中の鳥になったのです。そして、鳥が鳥として大人しく籠の中で戯れ続けるよう、EVには二つの機能が付与されていました。

 一つはご存知の通り、想念チェックです。今も尚、あなた方はその管理の下にいます。

 そして……もう一つ。

 自己崩壊による毒素放出――では、ありません。何故ならその機能は、あくまで想念チェックに付属されたもの。別々の機能ではないからです。では、残る一つとは何か。

 それこそが、今の常識を作り出したものの正体――精神干渉です。

 システムコード――IR-ENE Sys《イレーネシステム》と呼称されたそのシステムは、任意の情報信号を載せた近赤外線を人の魂に照射することで、対象の記憶を上書きし、更には認識を置換してしまうというもので……当時のISSAにおいて、唯一その能力を発現させていたイレーネをデバイス化することで、実現させた技術でした。


「……え?」

 説明の途中だったが、思わず、声が漏れる。

(イレーネを……デバイス化した?)

 横に座るイレーネを見た。彼女は……やや青褪めた顔で、俺の視線を受け止める。

「説明の通りです。この悲劇の一端の責任は……私にあります」

 イレーネが顔を伏せる。だが、俺が何かを答える前に、ミラージュの厳しい声が飛んだ。

「顔を上げなさい、イレーネ。あなたは、自分の意思に反して組み込まれていたに過ぎません。むしろその責は、あの時あなたを守ってあげられなかった私にこそあります」

 その言葉に、イレーネは慌てたように顔を上げる。

「それは違います! 私がもっとしっかりしていれば……それに、サキ様はあの時エニシ様のことで――」

「イレーネ」

 更に一段と厳しさを増したミラージュの声が飛び、イレーネがハッとした顔をする。そして、再び頭を下げた。

「申し訳ありません」

「……構いません」

 やや疲れた声で、ミラージュが答える。どうやらIR-ENE Sysが構築されるにあたっては、彼らも深く関係し、様々な事情が絡み合っているようだ。新たに出てきた『サキ』と『エニシ』という人物――名前の造りから日本人と思われる二人も、きっと当時の仲間だったのだろう。

 少し間を開けて、ミラージュは再び語り出す。


 すみません、話が中断しました。今のやり取りで分かったと思いますが、ISSA……厳密に言えば、その設立者が組織していた『評議会』という機関が、イレーネを捕え無理やりデバイス化したのです。それは、つい昨年。私たちがイレーネを救出するまで続いていました。

 ……不思議そうな顔をしていますね。あなたの言いたいことは分かります。イレーネが救出されたのに何故、精神干渉が今尚続いているのか、疑問なのでしょう?

 結論を言えば、続いてはいません。ただし、一度書き換えられた記憶は、基本的には不可逆です。精神干渉を止めたからと言って、それが元に戻ることはありません。そして、認識の置換――具体的に言えば、正しい歴史に関する情報に触れると、偽りの歴史に置換して認識させるというものですが、これは最初の五年間で、殆どの情報の入れ替えが完了していたが故に、ほぼ不要となっていました。ですから、精神干渉が停止しても、目立った問題は起こっていないのです。でも同時に、だからこそ我々はイレーネを救出できたとも言えます。帝国は以前のように、IR-ENE Sysを重要視しなくなりましたから。

 さて……では話を戻しましょう。

 今話した通り、評議会は精神干渉によって人の記憶と認識を操作した上で、想念チェックを用いた管理国家を創り出しました。ただし……それは無血革命とは程遠い。

 あなたも、目にしたでしょう? 沢山の人間が、EVによって殺される姿を。

 そうです。新しい帝国をユートピアとするために、評議会が最初に行ったことは……

 〝悪人の排除〟でした。

 EV接種後、約一週間に渡って国民の想念をチェックし、今と同じ基準で落第者を処分しました。その数――実に、全人口の三割。およそ十五億人に及んだと推定されます。

 そして彼らは、EVではなくパンデミックの犠牲者として処理され、新しい歴史に刻まれることになりました。


「パンデミック……」

 確かに俺たちの知識では、六年前のパンデミックで大量の死者が出たことになっている。でも本当は……

(そんなものは……無かった?)

「いや……違う」

 首を振る。

「そんな訳がない。事実、ワクチン接種前に感染症で死んだ人はいたし、何よりアメリカでは、政府機能が麻痺するほどの死者が出ていたはず」

「その通り。パンデミックは、事実ありました」

 俺の独り言を、ミラージュが遮る。

「ただしそれは、海外――ユーラシアの外においてのみです。海外では、ロシアに先駆けてパンデミックが発生しました。その後、ロシアによってワクチンの存在が公表されましたが、その供給は〝意図的に〟間に合わず、諸外国は崩壊。ワクチンによってパンデミックを起こすことなく乗り切ったロシアだけが、数千人の死者で済ますことが出来ました」

「え? でもさっき、ワクチンはEVだったと……」

「ワクチンの中に、EVが含まれていたと言ったのです。だから本物のワクチンも、同時に摂取していたのですよ。ですが先程も言った通り、それを打てたのはロシア――つまりユーラシアの国民だけです。結果、今やユーラシア大陸以外の四大陸は、ほぼ死の大地となっています」

「……」

 絶句する。しかも話を聞く限り、このパンデミックを引き起こしたのは、明らかにロシア――いや、ISSAの評議会とかいう組織だ。

「なんで……そんなことを……」

「DC-Aの効果範囲を、ユーラシア大陸から外には広げられなかったからです。DC-Aが作用しなければ、悪を駆逐することは困難ですから、ユートピアへは組み込めない。かと言って、力を残せば将来的に脅威になるから放置は出来ない。その結果が、パンデミックに見せかけた大量粛清でした」

 淡々と語っているが、その内容は途方もない。ユーラシア大陸でEVに殺された数と合わせれば、実に五十億人近くが粛清されたことになるのだ。

「簡単には整理がつかないでしょうが、まだ話は終わっていません。次はクロード――あなたの話をしなければいけないのですから」

 しかし、ミラージュはまだ続ける。しかも今度は、俺の話。

「まず私があなたをここに連れてきた理由です。勘違いして欲しくないのは、別に私は、思いがけず親族に出会えたのが嬉しくてあなたをここに連れてきた訳ではない、ということです。勿論、アリスを助けてくれたお礼として、真実を告げた訳でもない。すべては、あなたが持っている力をお借りしたいがためなんです」

「力……ですか?」

 言われて思い当たるのは、未来の可能性を視る力だが……俺はその力の存在を、誰にも告げたことはない。初めて会った筈のミラージュが、それを持ち出すとは思えなかった。

「先程、フジセマナの話はしましたね」

 不意に、ミラージュが話を変える。

「時渡りの魔女と呼ばれていた彼女には、ある特殊な力がありました。『事象改変』と呼ばれる力です。それは文字通り、過去の事象を変えることが出来るというもの。しかもその力は、親から子へと遺伝する性質を持っていました」

 と思ったが、どうやら話を変えた訳ではなかったらしい。話の流れから、彼女が言わんとすることを理解する。

「つまり……俺にはその『事象改変』という力が宿っていると?」

「心当たりは、ありませんか?」

 ミラージュの瞳が俺を射抜く。だが……頷くことに躊躇いを抱かずにはいられない。

「……確かに、少し変わった力を持ってはいます。ですが……それがその事象改変と同じとは、正直思えません」

 過去を変える力と、未来を視る力。ベクトルも違えば、その性質も全然違う。

「どんな力ですか?」

 それでも、ミラージュの瞳は揺るがない。何かを確信するような、その瞳。

「……未来の可能性を視ることが出来るんです」

 だからだろう。その視線に押し出されるように、言葉が口からついて出た。

「十秒にも満たないですが、その範囲で未来を視て、分析し、自分にとって最適な組み合わせを選び出すことが出来ます」

 人に説明するのは初めてだったから、今の説明でどれだけ伝わったかは分からない。それでも、ミラージュは俺の言葉に大きく頷いた。

「恐らく、それで間違いないと思います。事象改変の片鱗です」

「ミラージュ。お言葉ですが――」

 だが、その時。イレーネが、唐突に声を上げた。

「正直私は、彼が事象改変の使い手であるという考えには懐疑的です。彼の精神干渉を解くにあたって、私はその記憶に潜りましたが、評議会が彼を特別視していた形跡はありませんでした。パリ特別士官学校などという評議会のお膝元に所属していながら、一切唾をつけられていない。それに何より……その力は、カズト君のそれとはあまりに違い過ぎている」

(……カズト君?)

「カズト君――キリュウカズトは、フジセマナの息子のことです」

 俺の疑問を、すぐさま察したのだろう。ミラージュが視線を俺に向ける。

「彼はあなたの叔父に当たる人物で、あなたと瓜二つの容姿を持った、完璧な事象改変の使い手でした。だからこそ私は、あなたの可能性に期待しているんです」

 そして、再び視線はイレーネへ。 

「確かに、完璧な事象改変を受け継いだのはカズト君だけ。でも、その残滓でも引き継いでいれば、私たちには意味がある。そして逆に残滓だからこそ、評議会はそれに頓着しない」

「……だとしても、未来の可能性を視る力が、どうして事象改変だと?」

「事象改変は、世界線に干渉する力だからです。ならば、他の世界線を覗く力が派生的に現れても、私は驚きません」

 その言葉で、イレーネは何かに思い当たったようだ。「あっ」という顔をして、俺を見る。

「もしかして……だからあなたは、この世界に違和感を抱くことが出来たんですか?」

 何のことを言われているか理解するのに、少しだけ時間がかかった。

「〝この国は何かがおかしい〟……そのことですか?」

「そうです」

 イレーネは頷き、ミラージュは興味深げに身を乗り出す。

「へぇ……そんなことを? いつから?」

 俺は首を振る。それは、自分が知りたいくらいだった。

「一体いつからか……気がつくと、その違和感が付き纏うようになっていました。実はアリスを助けたのも、あの時あなたの手を取ったのも、その違和感の正体を知りたいと思ったからなんです」

「そうでしたか……」

 ミラージュは再び背もたれに身体を預け、思案げに髪をいじる。

「思ったより、あなたは別の世界線からの影響を受けやすいのかもしれませんね。きっとあなたは、覗いてしまったんでしょう。こことよく似ているけれど、それでも、全く異なる道を歩んだ世界を。こんな歪んだ結末を、選ばなかった世界を……」

 そう話すミラージュの瞳に、憂いが過ぎる。まるで、吸い込まれてしまいそうな程に濃厚なその色は、俺の想像が及ばない何かがそこにあることを、示唆してくれる。

 歪んだ結末を選んだ世界と選ばなかった世界。その岐路には、一体何があったのだろう?

「さて、話は以上です。私がお願いしたいことは、先ほども言った通り。あなたが持つ事象改変の力を、私に貸して欲しい。帝国を打倒するために、その力を使って欲しい」

 少しだけ物思いに耽っていた俺を、その一言が呼び戻す。

「私は確信しているんです。あなたとのこの出会いが、単なる偶然などではないと。事象改変の力を引き継いだフジセマナの血統が、このタイミングで私の前に現れた。それは必ず、意味のあること」

 穏やかで、それでいて、力強い顔。そこには、迷いは一切ない。

「クロード、もう一度言います。どうかその力を、私に貸してください。間違いを正すために使ってください。ご協力、頂けませんか?」

 どこまでも真っ直ぐなミラージュの視線。純粋で、透明で……吸い込まれてしまいそうな綺麗な瞳。そこに嘘は一切なく、虚飾に塗れた帝国と比べて、それはあまりに邪気がない。

 でも、だからこそ……………………躊躇う。

 真実――それは果たして。平和にも勝るほどの価値を、持っているのだろうか?

「……分かりません」

 その躊躇いが、俺の口からそんな言葉を紡ぎ出させる。

「……分からないんです。今の帝国を倒すことが、本当に正しいことなのか」

 俺は知った。帝国の成り立ちを。その結果作り上げられた監視社会が、虚構そのものであったことを。そしてその虚構の下には、億を超える民草の血が流れていることを。

 それは間違いなく、正しい世界ではないだろう。正常な国家でも、綺麗な社会でもあり得ない。この真実を知れば、そんなことは誰もが分かる。でも……それでも……

「今の帝国は、平和なんです」

 そう。それが事実だ。嘘でも、偽りでも。今の帝国には事実、犯罪はない。悪人はおらず、悪霊や悪魔も跋扈していない。

「〝善人の理想郷[ユートピア]〟――それは決して妄想の産物なんかじゃなく、現実の姿としてここに存在しているんです。だから……たとえ、それを創り出すために多くの血が流れたのだとしても……いや、流れたからこそ、その流血を無駄にしてはいけない。折角の平和を、壊すべきではない。そんな風に思うんです」

 ミラージュの主張は分かる。目指す理想も分かる。でもそれは、帝国の平和と天秤に掛けられるほど重いものなのか……今の平和を知る俺には、どうしてもそれが分からなかった。

「……百年前。ISSAはその平和――〝善人の理想郷〟を実現するために、設立されました」

 すると、俺の思いを聞いたミラージュが、おもむろにそう切り出す。

 言葉を選ぶように、一言ずつ、丁寧に。

「その時の彼らには、分かっていました。今の延長線上にある人類の未来には、〝利己主義〟という名の悪が満ち溢れているだろうことを。今が幸せならそれで良い。他人がどうなろうと、自分さえ幸せならそれで良い。普遍的な正義などなく、自分にとっての善悪のみが何事にも優先される……そんな自己中心的な欲求が、世界を蝕むことになる。彼らはそう考え、更にはそんな思想を、忌むべき悪として断定しました。神によって創られたこの世界に、悪など存在してはならないと断罪しました。だから彼らは、決意したのです。神に代わって、自分たちで悪を消し去ろうと」

 その気持ちは……分かる。大ユーラシア帝国が建国される前――すなわち、俺がISSAの孤児院にいた頃……世界には、身勝手な思想が蔓延していた。

 〝神は死んだ〟と称し、〝自分を神だ〟と宣う人たち。個人主義と言えば聞こえは良いが、その実、個人の欲求を振りかざすだけの彼らによって、〝正義〟などという概念は綺麗さっぱり消え失せた。快楽主義の横行、労働の放棄、遂には、頻発する暴動による闘争と破壊。物語に出てくる世紀末のような風景が、世界中に現出していた。当然、国家レベルの戦争も絶えない。そのような社会情勢の中で、世界はまさに、混迷を極めていた。

 それに輪をかけて、EU諸国へは中東、更には中国からの難民が大量に流入し、同時に悪霊や悪魔も入り込んできたことで、状況はより一層深刻化した。ロシアに併合された以降は多少改善されたものの、それでも犯罪率は、かなりの高水準で高止まりしていたと記憶している。

 もしそのような未来を予見していたのなら……そんな未来を壊すために、悪を排除するという選択をした彼らを、間違っていると断ずることなど、俺には出来ない。

「こうして、百年間に及ぶ準備期間を経て、大ユーラシア帝国が遂に建国されました。私も、この帝国に住まう者です。以前と比べて、劇的に悪人が少なくなったことは、記憶を失ったあなた方よりも遥かに、肌身を持って感じています」

 それはそうだろう。過去の記憶を取り戻した以上、俺にもそれがよく分かる。でも……それならやはり、この帝国を否定することなんて――

「ですが――」

 しかし、ミラージュは口にする。俺の思考をぶった斬り、帝国に対する断罪の言葉を。

「彼らは、一つ大きな見落としをしました。だから私は、彼らを否定するんです」

「見落とし?」

「えぇ。それは……〝人は変われる〟という事実です」

 ミラージュが力強く、そう断言する。

「今この瞬間では、仮に悪だったとしても、一年後は分からない。十年後は分からない。五十年後は分からない。たとえ、今世はずっと悪人として生きたとしても、では死後はどうでしょうか? 死後百年では? 二百年では? それでも足りないと言うのなら、では……千年では? それだけの時間を経ればいつか、その悪も善に変わるかもしれない。自らの在り方を顧みて、反省する瞬間が来るかもしれない」

 ミラージュは言う。確信を込めて。

「何故なら、私は信じているから」

 いや……祈りを込めて。

「人には必ず、善性が宿っていると。その本質は、善なる心であると。だからこそ、人はいつか必ず、その善へと向かっていく。そんな本能を持っているに違いないと。だから――」

 力強い言葉。挫けない意志。怯まない心。

 それらすべてを内に秘め、ミラージュは強大な敵を否定する。

「だから人間心で、その機会を勝手に奪うことは許されない。世界のルールを勝手に捻じ曲げることは、決して許されない。我々は、神ではないのですから」

 言い終えて、彼女は微笑む。その美しい笑顔をこちらに向ける。俺は……目を逸らすことも出来ない。

 彼女は言った。人の本質は善であると。

 そして俺は知っている。あの時代を経て、そして今の時代を生きながら、その信念を曲げないことがどれだけ難しいことであるかを。

 経験しただろう数多くの不幸と、出会ってきただろう無数の悪。それらをすべて呑み込んで、ただ一途に、人という種の善なることを信じる。

 くだらない理想論だと、馬鹿にする意見もあるだろう。現実を見ろと、嘲笑する声もあるだろう。でも、それでも……

(あぁ……本当に……)

 俺は思ってしまったのだ。

 青臭い理想論を聞いて。信じる以外に根拠もない願いを聞いて。しかし俺はそれを――

 美しいと……思ってしまったのだ。

「……分かりました」

 だからだろう。気付くと、俺はそう答えていた。

「分からないことは、まだ沢山あります。もしかするとそれは、いつまで経っても分からないかもしれない。でも私は……あなたを信じます」

 交錯した正義の狭間で、何が善で何が悪なのか。残念ながら、俺にはそれを判断する智慧はない。だがしかし、確かな事実もここにある。虚飾に塗れた帝国よりも、この純粋で真っ直ぐな女性に仕える方が、きっと俺は……後悔しない。

「ありがとうございます」

 ミラージュの嬉しそうな声を聞いて、俺は静かに、そう確信した。

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