第4話 追加された
「とんでもないことになった」
俺は独り言を呟きながら、青のママチャリを自宅の駐輪場に停める。
原色のママチャリで学校に通学する理由は銀色の学生が乗りそうな自転車はダサいと1年生の頃に言われたためだ。そのため、バカにされて即座に青のママチャリに変えたわけだ。
中学生の頃は徒歩での登校だったため、少なからず高校での自転車通学に心を躍らせていたのだが、俺の自転車デビューは苦い記憶となった。
また、学生カバンもスクールバッグでなく、リュックサックを使用する。この点は事前のリサーチが功を奏し、苦い経験を避けられた。
俺は背中にリュックサックを背負い、自転車に鍵を掛けてから、自宅に入る。
「ただいま〜」
「おかえり〜」
俺はいつもの母親との掛け合いを交わし、玄関で靴を脱ぐ。靴も中学の頃は真っ白しか履けなかったが高校では自由が利くようになった。そのため、白を基調としたワンポイントブランドロゴの入った靴を高校生活では履く。
俺はルーティーンでまず2階に上がってリュックサックを自身の部屋に置く。そして、洗面所で手洗いとうがいを済ませる。小学生の頃に教わったやり方で手は順番に隅々まで洗い、うがいは喉を3回鳴らして行う。
ルーティーンが終わった後はリビングに移動する。
「今日は水曜日か」
俺はテレビの前に移動し、リモコンを操作しながら21時からのホンマでっかTV、水曜日のダウンタウンの録画の準備をする。
さらに、21時から家売る女というドラマがあったが、水曜日のダウンタウンと時間が重なるため録画を断念する。
深夜のアニメの放送をチェックすると、黒子のバスケやRe:ゼロから始める異世界生活があったため全て録画するように設定する。
「よし。こんなものかな」
一連の録画の設定を終えた俺はテレビの電源を落とし、リビングを後にする。
再び階段を介して2階に上がり、自身の部屋に移動する。
ベッドにごろっと寝転がり、アイフォン5Sを操作してYoutubeのアプリを開く。
ヒカキンやはじめしゃちょーは毎日動画を上げているので最新の動画をチェックする。まずはヒカキンの動画からチェックする。
テロン。
俺がヒカキンの動画を楽しんで視聴している時に、アイフォン5Sにラインの通知が入る。クラスのグループラインの通知からであった。
「なんだよもう~」
俺は不満を漏らしながら、一時的に通知を切るためにラインのアプリを開く。
慣れた手つきで通知をOFFに切り替える。
「うん? 」
ラインのアプリを閉じようとすると、1つのアイコンに通知が知らせがあることに気が付く。
そのアイコンは友達の追加を管理するものである。
「また良く分からない怪しいアカウントからの友達追加に違いない」
俺はうんざりしながら、ヒト型のアイコンをタップし、友達追加のあったアカウントをブロックしようと試みる。
「うん? は? 」
俺は友達追加されたアカウントの名前を見て驚きを隠せなかった。誇張なしで目が飛び出そうになった。それほど衝撃が俺を襲った。
なぜなら、俺の新しい友達追加欄には制服姿で同級生の1人と一緒に撮った画像をラインのプロフィール画像にする中川さんのアカウントが陣取っていたためだ。
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