第18話 狼は鬼に牙を剥き、酔っぱらいはそれを舞台袖から見る
夕刻から降りだした雨は、夜のベガスに冷たく降り注いでいた。
人の姿がまったく見えない通りで、酒瓶を片手に雨に打たれていた酔っぱらいが、恨めしそうに空を見上げて、一人ごちる。
おいおい、今夜はお月さんがすっかり隠れちまってるじゃねえか。これじゃ、月見酒というわけにはいかねえ、かといって、寂しい懐じゃ肴は買えねえ。どっかにおもしれえ見世物でもねえのかよ。
そうして男は、人気の途絶えた通りに顔を向けて、とある剣呑な気配に気づく。この街で生まれ落ちて二十年も生きてみれば、何かが起こる危険な臭いには嫌でも敏感になる。冒険者ギルドの連中が起こす暴力沙汰からうまく身を躱し続けなければ、道を歩いているだけであっさりと殺されてしまうからだ。
だが、男はこの街の汚れた空気にたっぷり五十年浸かっていたので、多少の厄介事には慣れっこになっていた。おまけに、生まれつき好奇心が強いときている。というわけで、酒でまともな感覚が麻痺した男は、この街の者ならば誰もが避けたはずの危ない臭いに、こっそりと近づいて、物陰から様子を伺った。
あの賭博場は、《中鬼の矛鎚》の本拠地だな。
酔っぱらい男はわけ知り顔で一人、うなずいた。
いかつい顔の兄ちゃんたちが、ひいふうみい……いけねえ、この密造ウォッカちゃんは強すぎるぜ、まともにものを数えらんねえよ、へへっ。だがまあ、とにかくたくさんだ。たくさんの極道さんが、賭博場の周りを固めてやがる。ははあ……あの店は今日は身内オンリーってわけかい。こりゃ、大変なことがあるらしいや。まあさしずめ、中鬼の集会ってとこか。ふん、剣呑剣呑。
酔っぱらい男がまともに思い出せるかぎりでは、《中鬼の矛鎚》が直接経営するその賭博場は、毎日かなりの数の客入りだったはずだ。それが今晩にかぎっては、クローズドの看板がかけられている。金にガメつい冒険者たちが、莫大な利鞘を生む賭博場を一晩閉めるとは、よっぽどのことが起きたらしい。
――よっぽどのこと。
酒で頭にかかっていた靄が急に晴れて、男はにわかに興奮し出した。
そうだ、おれとしたことが忘れちまってたぜ! 《狼の血族》だ! 《灰色狼》が中鬼の子飼いの連中をぶっ潰したのは、ほんの数日前のことじゃねえか。すっかり落ち目になってたドン・ルチアーノのファミリーが、この街でも一等賞のクズどもを一晩で片付けちまったって、酒場はその話で持ち切りだった! やっぱり、《灰色狼》の名は伊達じゃねえって、あの晩はみんな大盛り上がりだったな。《小鬼の大鎚》が潰れて万歳三唱もしたっけ。ちくしょう、こんなことも思い出せねえとは、やっぱりこのウォッカちゃんは男殺しだ、すげえアルコールだ。ってことはだ、ってこたあ……。
男の酔いはすっかり覚めていた。が、今はそれよりもタチが悪い状態になっている。自分の考えに自分で興奮して、ヤクでもキメたみたいになっていた。
男は中鬼のやつらをもっとよく見ようと、物陰からぐっと身を乗り出した。
ひいふうみい……よしよし、今度はちゃんと数えられるぜ、表口に五人。横道に、うーん、これも五人ってとこか? ってこたあ、裏口にも同じくれえはいるんじゃねえか? よくわかんねえけど。|見張り番(シキテン)をやらされてんのはどれも若い衆だな。するってえと、中にいるのは幹部連中か。狼たちをどうするかって話を、薄汚いツラを突き合わせて必死にしてんだろうよ。しっかし、若い衆もこの雨の中ご苦労なこった。ついでに、そのまま風邪でも引いておっ死んじまってくだせえよ、っと。
男はぺっと、痰を水たまりに吐いた。この街の一般市民のご多分に漏れず、彼も冒険者という輩を心底嫌っていた。憎んでいたといってもいい。男は五十を過ぎても親方になれない、うだつの上がらない皮なめし職人だったが、それでも職人としての誇りは持ち合わせている。ガキのお使いみたいな賃金でキツイ仕事をさせてくる冒険者など、クソくらえだったし、仕上がりが悪いと言いがかりをつけては、面白半分に殴りかかってくるクズどもは地獄に落ちろと思っていた。そんなことを口に出してしまったら、自分も女房も路頭に迷うから口が裂けても言えなかったが。
だが、と男は少し考えた。酒やけした顔に似つかわしくない、内省的な表情がふと浮かんだ。
まあ、《灰色狼》は別にして考えてやってもいいかもしれねえ。あそこのボスがイケイケだった頃は、この街も暮らしやすかった気がする。仕事の金はまともな額がもらえたし、たまにだったけど、腕が鳴る素材だってうちに回ってきた。ああ、そのおかげで娘を学校に行かせてやることもできたっけ。そういや、うちの女房は、ドン・ルチアーノのことが好きだったな。うちは仕事場も家もこの辺だから、狼たちのシマとは何の関係もねえけど、それでもあの時代は何もかもがうまくいってた気がする。
幸せな過去を思い出した男だったが、片手に持った酒瓶にふと目をやると、恨めしい顔つきになった。五年前、とある事件をきっかけに、皮素材がこの街にまったく入らなくなったときがあった。ベガスの冒険者全員が、魔物狩りより、縄張りを奪い合う抗争に夢中になっていたのだ。酒に溺れたのはその頃からだ。そのときのことを思い出して、男は苦々しく口の端を歪めた。
あんときゃ、仕事がなくて大変だった。毎日、水と二杯の麦粥だけでしのぎきって、ちょびっとの銅貨でひでえアルコールを買って食らったもんよ。ふん、やっぱり《灰色狼》だろうがなんだろうが、冒険者はみんなクズだ。ルチアーノの野郎が手下に裏切られたせいで、ベガスの街のシマ取り合戦が始まっちまったんだ。女房は、ドン・ルチアーノのせいじゃないとほざきやがるが、女ってのは頭が悪いからな。
だが、まあ……と、男は手に持っていた酒瓶を、うんざりしたように投げ捨てた。瓶が割れる音は、雨音に紛れて消えた。
まあ、《灰色狼》の時代がよかったのは、うん、そりゃあ認めるしかねえ。おれは女じゃねえから、正しいことは素直に認める。あんな時代がもう一度やってくりゃあいい、ってのも認めてやる。最近は中鬼のやつらが、うちの店の辺りに色気出してきやがって荒れてるからな。あいつらは頭のてっぺんから爪先までクソが詰まった、クソ袋だ。
男はまた痰を地面に吐き捨てた。
とくに、中鬼の幹部連中ってのが特大のクソ袋らしい。ボスのメイソンと……ああ、ナンバーツーのオルクっつったか。やつら、てめえの手を汚さず、下っ端に汚え仕事を全部やらせて、自分は高みの見物ってやつを決め込んでるらしい。それに、その二人を取りまとめてる大鬼のトマーゾ……あいつらがやることときたら、人間じゃねえ。ジムの息子は、やつらが流すヤクのせいでイカレちまって、親父の顔もわかんねえ。ジムはそのせいで頬がこけちまってゾンビみてえだ。若いトビーはやつらの酒場で美人局に遭った。まあ、あいつが悪いと言やあ、悪いんだが、金は払えねえって突っ張っただけで、女房を売り飛ばされるってのはありえねえだろ。あいつらは人間じゃねえ、本物の鬼なんだ。
同じようなことが自分や身内に起こった想像をしてみて、男はぶるりと体を震わせた。
女房はうるせえババアだが、それでもあいつが泣くとこは見たかねえ。それに、娘はおれの天使だ。結婚だって控えてる。あいつが中鬼の連中に傷モノにされてみろ。そうなったら、おれは……おれは……。
男はやるせないため息をついた。そうなったら、自分はどうするつもりなのだろう。五十を過ぎても独立できない、クスボリの自分にいったい何ができるというのか。
金もねえ、腕っ節もねえ、仕事の腕だっていいわけじゃねえ、おれにできることなんざ何にもねえよな。
男は無力感に打ちひしがれ、黒い雨空を見上げた。
どっかの誰かが、あのクズどもをぶっ潰してくれないかねえ。あいつらがおれんちの近くにいるかぎり、夜もおちおち眠れねえよ。
そのときだった。
表口の見張りが一人、何の前触れもなく崩れ落ちた。まさか自分の呪詛を気まぐれな女神様が聞き入れてくれたのかと思ったが、そうではなかった。倒れた見張りには一本のナイフが突き刺さっていた。血がどくどくと流れ、水たまりに混じり、降り注ぐ雨によって流されていく。
すぐそばにいたもう一人は、何が起きたのか理解していなかったらしい。激しい雨に打たれ続けて体をおかしくしたのだと勘違いしたのか、倒れた仲間のそばにしゃがみこもうとした。
そいつの胸から突然、ナイフが生えた。
いや、生えたと思ったのは、物陰から見ていた男の思い違いだった。ナイフはどこかから飛んできたのだろう。それがあまりに速すぎたせいで、実際に飛んでくるところを見ることができなかったのだ。
男は生唾を飲み込んだ。いったい何が起きているのか、理解が追いつかなかった。
倒れた連中の周りにいた三人の見張りは、ようやく状況に気づいたようだったが、それは遅かった。しっかと目を見開いて事の成り行きを観察していた男だったが、彼が瞬きをするあいだに、三人の見張りは仲間と同じ道をたどっていた。
豪雨が地面を打つ激しい雨音だけが聞こえる中、五人の見張りが賭博場の前に倒れている。賭博場の扉から漏れ出るわずかな光が、彼らの体に刺さったナイフを鈍く光らせていた。
その光景を呆然と眺めていた男は、はっとして建物の横道に目をやった。そこにも別の見張りが五人ほどいたはずだ。しかし、その姿はまったく見えない。まるで煙に巻かれてそのまま消えてしまったかのようだった。
何が起きたのかわからない。いや、そうじゃない。おれはこれを前にも見たことがある。いや、それも違う――そうだ。
男は数日前に酒場で聞いた話を思い出した。《小鬼の大鎚》が潰されたとき、そばで野次馬をしていたという酒飲み仲間の話だった。
こう、ナイフがどこからともなく飛んでくるだろ? バタッ、バタッって、一人また一人と倒れていくのよ。残った連中が右往左往してると、あのハーフエルフが煙をぶわって吐き出してだな……。
そうだ、おれは今目の前にしているのとそっくり同じ話を、あいつから聞いたんだ。
男が物陰で身を隠すことも忘れて放心状態に陥っていると、夜雨のカーテンの向こうから、彼らは姿を表した。
線の細い男が、通りの向こうから、片足を引きずりながらやってくる。雨に濡れた長目の前髪をかき上げる。手には眼鏡を持っており、しきりに拭いているが、そうするそばから降りしきる雨に濡れてしまう。男は忌々しげに顔を歪める。そして、倒れている中鬼の若い衆からナイフを一本ずつ引き抜き、これまた濡れそぼったハンカチを取り出して、血塗れのナイフを拭っていく。どこか、やり慣れた作業の趣があった。
とすると、こいつが――痺れた頭で男は酒飲み仲間の話を思い返した。
《必殺必中》グラス、《狼の血族》会計役。
横道から、今度は女が現われた。娼婦が着るようなスリップドレスを着ているが、この女が売女だなんてとんでもない。どんな女優だって自信を喪失するかのような艶やかな女だった。丈の短いドレスの上に、魔法使いが着る真っ黒なローブを羽織り、レースのついた黒い傘をクルクルと頭上で回している。そして、片手には紫煙を上げる煙管。
《混血の魔女》エルマ、《狼の血族》幹部。またの名を、《紫煙使い》エルマ。
こいつが噂のハーフエルフか、と男は魅入られたようにぼうっとしていた。汚れた血が流れる半端者でも、こいつは……こいつは、とびっきりの美女だ。顔だけじゃねえ、思わず跪いて足にキスしたくなるような気品がある。
《狼の血族》の二人は、賭博場の表口で二言三言言葉を交わしているようだった。表口から中鬼の誰かが出てくることについては、まったく恐れていないように見える。この雨音で襲撃の物音がかき消されていると思っているのか、それとも――出てきたとしても、一瞬で仕留める自信があるのか。
二人は表口よりも、むしろ、横道の方が気になっている様子だった。言葉を交わしながらも、時折、そちらに視線をやる。それで思い当たった。女の方が出てきた横道は、賭博場の裏口につながっている。そこにも見張りがいるはずだった。
どうして二人がそちらを気にしていたかは、すぐに明らかになった。一組の男女が姿を現したのだ。《狼の血族》の二人が表情を緩めたから、こいつらも仲間なのだろう。とすると、裏口にいたはずの中鬼の連中はこいつらが倒したのか。
その推論を裏付けるかのように、現われた金髪の女は血に濡れた細身の剣を手に持っていた。その顔は感情をどこかに置き去ってしまったかのような無表情だったが、青い唇はわずかに震えていた。それを見て、初めてその女の外見に気づいた。
まだ若いじゃねえか。すっかり身を隠すことを忘れた男は嘆息した。たぶん、おれの娘と同じくらいか、下手すりゃそれより下か。《狼の血族》ってのは、こんな若い娘まで抗争に引っ張りだすのかよ。なんだよ、ドン・ルチアーノってのも、結局は下衆野郎じゃねえか。こんな子の手を血で染めさせるなんざ、まともな野郎のすることじゃねえ。
だが、その金髪の女はわななく唇を一文字に引き締めると、血に濡れた剣を服の袖ですっと拭った。そうして剣を鞘に納めると、何か大事なことを思い返すかのように目を閉じた。閉じた目を開いたとき、その顔には揺るぎない表情が浮かんでいた。
こいつぁ、剛毅な娘っ子だな。男はまたため息をついた。こういう顔は以前にも見たことがある。はるか昔、まだ男が幼い子どものときの話だ。叔母が冒険者に傷つけられたとき、普段は優しい叔父が同じような顔をしていた。その数日後、叔父はその冒険者を殺し、報復として川に死体として流されることになった。
男は嫌なことを思い出して頭を振った。そして、金髪の女の隣に立つ男の方に目を向けた途端、急に震え出した。
その黒髪の男は恐ろしかった。そう感じた理由も、体の震えが止まらない理由もわからなかい。だが、この男は他の三人とは何かが違う。得体の知れない、その冷酷な黒い瞳が恐ろしかった。両拳についた血の跡がたまらなく恐ろしかった。
ナイフ使いの男が、黒髪の耳元にそっと口を寄せて何かを囁いた。すると、黒髪はうなずき、こちらに歩み寄ってきた。
男の膝がガクガクと震えた。しまった、隠れるのをすっかり忘れていた。この黒髪とその仲間は、見てはいけないものを見てしまった自分の口を封じるつもりなのだろう。どうする、逃げようか。だが、逃げてどうなる。ここで逃げても、どこまでも追ってくるのではないか。だいいち、もう腰が抜けてしまって、まともに立っていることも怪しい。
だが、眼前にやってきた黒髪の振る舞いは、男にとって予想外だった。
こちらに向かって頭を下げたのだ。
「血なまぐさいもん見せちまってすまなかった。これ、少ねえけど、とっといてくれ」
黒髪が手渡してきたのはクリップで留めた金札だった。たぶん、男のひと月分の給料ぐらいはある。だが、これが意味するところは明白だった。
「……口止め料ですかい?」
男は、黒髪の口から吐き出される脅し文句を待った。ここで見たもんは口にするんじゃねえぞ。見たらどうなるかわかってんだろうな。女房や娘のなます切りは見たかねえだろう。芝居がかったそういう台詞は、この街に住む者ならば聞き慣れているが、この黒髪の口からは決して聞きたくなかった。それは脅しなどではなく、純然たる事実だろうから。
しかし、黒髪は口の端を歪めて笑った。不気味な笑い方だった。
「いや、そういうわけじゃねえ」
嘘をつけ。そんなわけがない。てめえらみてえな連中が信じられるわけが――
「あんた、嫌な気分になっただろ?」、
黒髪がまた頭を下げた。その動作はぎこちなかったが、信じられないことに、それには誠意のようなものが感じられた。
「それで酒でも飲んで、今夜はぐっすり眠ってくれ。まあ、そういうわけだからよ――」
黒髪は言葉に迷ったかのように頭をかいたが、言うべきことは言ったと判断したのか、三度頭を下げると、背を向けて仲間たちのもとへと戻っていってしまった。
あとに残された男は、感覚が麻痺したかのような気分に陥っていた。
いったい、どうなってやがる。ああいう連中は頭を下げさせることはあっても、自分がそうすることは絶対にねえ。あったとしても、そりゃあ自分より強いやつに向かってすることだ。なんでおれみてえなジジイに謝る必要がある。
黒髪の言葉を反芻した男は、愕然とした。
あの黒髪野郎、おれが流血沙汰を見て眠れねえ夜を過ごすと思ったのか。善良な一般市民様に暴力沙汰を見せて、怖い思いをさせちまったと思ったのか。それで謝ってたのか。
男は笑い出したくなったが、うまくできなかった。
なんてこった。こんな話、見たことも聞いたこともねえ。この街を我が物顔で歩くクズの一人が、しょぼくれたジジイを気遣うなんて!
いや、そんなこたぁねえな。男はかぶりを振った。似たような話なら、前にも聞いたことがある。あれは確か――
男の口がヒクヒクと上がり、笑みを形作りそうになった。以前、女房に聞いた話を思い出したのだ。
ドン・ルチアーノはえらい人なんだよ。あの人は、私たちみたいに真っ当な暮らしをしてる人間にも頭を下げるんだから!
今度こそ、男は笑った。なるほど、《狼の血族》というのはそういうやつらか。そして、先ほどの黒髪の様子を思い返して、はっきりと快活な笑い声を上げた。
あの兄ちゃんの笑い方、さっきはこっちを脅すためにやってることかと思ったが、とんでもねえ。あの黒髪は――
そう。あの黒髪は、はにかんでいたのだ。謝罪に慣れてなくて、照れ笑いをしていたのだ。
男は夜の通りに笑い声を響かせながら、その場を立ち去った。そして、その夜、いかなる不安も抱えることなく床についた。この街で凄惨な暴力の現場に遭遇した者には普通、安眠というのは決して訪れないものだったが、男はぐっすりと心地よい眠りにつくことができたのだった。
だが、一つだけ男には気になることがあった。眠りに落ちる直前、ぼやけた意識の中で男は思った。
ドン・ルチアーノの姿は結局見れなかったな……どうせなら、一目見てみたかったぜ。
そして、男は眠りに落ちた。
男はまだ知らない。
自分が、この街を大きく変えることになる抗争の目撃者であったことを。
そんなことを知る由もなく、男はただ安らかに眠り続けるのだった。
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