第2話 後宮
あれから10日後、明洛と瑶は遂に後宮に
入ることとなった。豪華な輿で運ばれている間
瑶は小さな窓から景色を見ていた。一度後宮に
入れば皇太子の許可がない限り、外に出ることは
許されない。そのため、馴染みのあるこの
景色を目に焼き付けているのだ。
「瑶才人、後宮に到着しました。
あと少しで、才人宮が見えます。」
皇太子の側室は8名と決まっており
皇太子妃が不在のため、高一品である
「到着しました。この者達が瑶才人の
お世話を命じられた者達です。」
「瑶才人に拝謁を。我々は貴方様の命を
忠実に守ります」
当初女官は2名だと聞いていたが何故か
6人に増えており、宦官も3人いる。
人数を間違えてないか確認したが
問題ないようだった。
「瑶才人、今宵貴方様が殿下に選ばれました。
準備が整い次第、寝殿へ向かって下さい」
「・・はい、承りました」
皇太子の寵愛を得たいとは思わないが
父に迷惑をかけないよう、最低限の準備は
しなければならない。
温かいお湯に浸かりながら女官に体を
優しく丁寧に洗われる。
散りばめられた薔薇の香りが瑶の緊張を
和らげた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます