第4話

「ところで最近どう? 彼女とは上手くいってるの?」

「あ、はい。順調です」

「でもあんた、女装が趣味ってこと、彼女には隠しているんでしょ? ずっといわないつもり?」

「……」

「お譲様タイプの女ってこーいうの毛嫌いするんじゃない? 気持ち悪いとかなんとかって」

「……」

「やめなさいよぉ、アンタたち。それはイズミと彼女の問題でしょ。いちいち勘ぐるんじゃないわよ」

「「はぁーい」」



そうなのだ。なまじこの環境に幸せばかりを感じていちゃいけないんだよな。



(でも……やっぱり美紗緒にはいえない……よな)



ありとあらゆることが潔癖そうな彼女。彼氏が女装趣味の変態野郎だと知ったあかつきには……


(か、考えたくも無い展開がぁぁぁー!!)



幸せでもあり、悩んで苦しくもあり、まさにこれが人生なんだろうなぁとしみじみ痛感していた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る