第2話

しかもご主人様が私に望んだメイドという仕事は、ご主人様が住む広いお屋敷の掃除や食事の支度など、ご主人様の生活全般に関わることをお世話するだけではなく、ご主人様の性生活のお世話をすることも仕事のひとつだと知った時は更に恐ろしくて逃げ出したくなった。



──でも私には行く場所がなかった



学も力もない18の少女がすがれるのはもはやご主人様しかいなかった。


だから生きて行くためにご主人様に体を差し出した。


初めての時は怖くて仕方がなかった。


私よりも25も歳上で、厳つい顔に威圧感を漂わせるご主人様に恐れ戦き、されることをただただ我慢するしかなかった。


だけど初めて抱かれた日、泣いている私にご主人様は低く掠れた声で告げた。



『期限は一年だ』

『……え』

『一年、俺の傍にいたらおまえを自由にしてやる』

『……』



一年間ご主人様のお世話をすれば真っ当な職を与えられ、一年間奉公した分のお給金も与えられることがご主人様によって約束された。



(一年……我慢すれば自由になれる)



その約束が私を恐怖心から少し救ってくれたのだった。

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