第16話

一見してそうとは分からなくても、私が色んな人に告白される度に不安を増していたのだろうか。


(でもそれがもし、私が篤志くんの立場だったらと考えると……)


篤志くんの気持ちが痛いほど解って、こうやって一緒にお風呂に入るという行為の意味も解ったら私は常に言葉と態度で篤志くんを安心させないといけないのだと思った。


「勿論、私は篤志くんだけのものだよ」

「真子……」


体を反転させ篤志くんと向き合って少し腰を浮かせた。


「? 真子」

「篤志くん」

「!」


篤志くんにキスしながら篤志くんの昂っているモノ目掛けて腰を落とした。


「ん……んんっ」

「あっ……ま、真子……」


お湯の中だから音はなかったけれど、表現するならジュブジュブと音を立てて奥まで挿入って行った感じだった。


「あっ……気持ち、いい……」

「ん……何、どうした、いきなり。凄い大胆だな」

「私、篤志くんの奥さんだよ?」

「え」

「だから私に何してもいいよ。篤志くんになら私、何されてもいいし、なんでもしてあげたい」

「……」

「私、篤志くんだけなの。ずっと、ずっと、好きなのは篤志くんだけ。この気持ち、おばあちゃんになっても絶対変わらないから」

「……真子」


より深く腰を落として最奥に篤志くんが当たるように動く。


「ふぁっ」

「本当、可愛いな、俺の真子は」

「あふっ、ん、ん」


篤志くんが腰を上下に振り出したから私の体はお湯の中でふわふわと舞い上がった。

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