第7話
「大丈夫か、真子」
「よかった……よかったよぉ~~~篤志くんが結婚しなくってぇ~~~」
「……」
「私……私、やっぱりこんなに篤志くんのこと……大好きだぁ」
「真子……」
「どうしても諦められない~~~」
「……」
「篤志くん……私と──」
場の勢いで篤志くんに徹底的な言葉を紡ごうとした瞬間、それを遮るように信じられない言葉が耳に届いた。
「真子、俺と結婚しろ!」
「………へ」
それは私がまさに今、告げようとしていた台詞そのもので驚いた。
突然の篤志くんの言葉にすぐ反応することが出来ずに、ただ呆然と篤志くんを見つめる。
「もうアイドルなんて目指すのは止めて、俺の嫁になれ!」
「!」
続けてハッキリ言われてやっと我に返った。
「真子が一生懸命目指している夢だから応援してやりたかったけど……だけどもう、限界だ」
「……」
「好きな女と一緒に住んでいて何も出来ないのは──キツ過ぎる」
「好きな女って……私?」
「他に誰がいる」
「え、え………えぇぇぇぇぇぇぇぇ──?! 嘘、嘘!!」
篤志くんの青天の霹靂的告白にただただ驚く。
「嘘じゃない! じゃなきゃ誰が十歳も下の小娘構ったりするか!」
「そんな……じゃあ小さい時から好きだったっていうの?」
「おまえ──自分がどれだけ可愛いか分かっていないのか?」
「だ、だって……可愛い子なんて東京にはいっぱいいて、私なんか──」
「俺にとっては真子だけが最高に可愛いんだ!」
「! あ、篤志……くん」
今までに見たことがないような熱っぽい視線を投げ掛けられて夢見心地になった。
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