第4話 隠された足跡

川村達也が「共鳴の会」と接触していた痕跡を探るため、芹沢と斉藤は、団体に関わりがありそうな場所の調査に乗り出した。まず向かったのは、失踪者の家族や近隣住民の証言で浮かび上がったカフェ「エテルノ」。ここは「共鳴の会」のセミナーが行われる場所のひとつとして噂されていた。


店の外観は洒落た装飾が施されており、一見すると穏やかなカフェに見える。しかし、そこに集まる人々の中に、不安や疲労が滲む表情を浮かべた者がいることに、芹沢はすぐに気づいた。


「斉藤さん、この場所で何か見つかるかもしれません。」


芹沢は静かにそう言うと、カフェのガラス越しに店内を覗き込んだ。目に飛び込んできたのは、一角で開かれているグループセッションのような光景だった。6人ほどの男女が円卓を囲み、何か真剣に話し合っている。


「怪しい感じがするな……。」


斉藤が眉をひそめる。芹沢はそんな斉藤をなだめるように軽く手を上げた。


「焦らず、まずは状況を観察しましょう。斉藤さんは表情に出やすいので、もう少しリラックスを心掛けてください。」


「おい、それ余計だろ……。」


二人はカフェに入り、店内の奥に席を取った。芹沢は、自然に周囲を見渡しながら、店員の動きやグループセッションの参加者の様子を観察していた。カフェの雰囲気は落ち着いているが、参加者たちの会話の中には明らかに「共鳴の会」を示唆する言葉が散見される。


「……救われる場所……。」


「このセッションを受けると、きっと変われる……。」


耳を澄ませると、そんな単語が断片的に聞こえてきた。芹沢は手元のメモ帳にそれを記録しながら、斉藤に目配せをした。


「斉藤さん、何か気づきましたか?」


「セッションの中心にいる男だ。あいつ、明らかにリーダー格だろう。みんながあいつの話に頷いてる。」


斉藤の視線の先には、40代くらいのスーツ姿の男性がいた。彼の言葉に、参加者たちは時折涙ぐみながら耳を傾けている。その光景を見て、芹沢の目が鋭く光った。


「心理的誘導が行われていますね。彼の話術や態度に、参加者たちは完全に引き込まれている。」


「話術……?」


「人間の感情を揺さぶる技術です。彼は意図的に、自分の発言を通じて、彼らに『希望』と『不安』を同時に与えています。そして、それを解決できるのは自分たちの団体だと信じさせている。」


斉藤は芹沢の説明を聞きながら、さらに視線を鋭くした。


「要するに、ここで洗脳の準備をしてるってことか?」


「そう考えていいでしょう。ただ、証拠を掴むにはもう少し観察が必要です。」


その時、セッションが終わったのか、グループの参加者たちが立ち上がり、それぞれカフェを出て行き始めた。リーダー格の男も席を立ち、店員に何か指示を出している。


「彼を追いますか?」


斉藤が小声で尋ねると、芹沢は首を横に振った。


「いいえ、店員に注目しましょう。何か資料や次の会合についての情報を持っているかもしれません。」


芹沢は立ち上がり、さりげなくカウンターの近くを通り過ぎた。その時、カウンターの裏に置かれたチラシが目に留まった。


「共鳴の会 次回セミナー案内」


そこには、日時と場所が明記されていた。次のセミナーは3日後、都内のビジネスセンターで行われるらしい。


選択肢への発展


芹沢と斉藤はこの情報を元に、次の行動を決める必要がある。セミナーに潜入するか、他の手掛かりを掴むために別の角度から調査を進めるか――。


読者への選択肢


ここで読者の皆さんに次の行動を選んでいただきます!

1.セミナーに潜入し、「共鳴の会」の内部情報を直接探る

2.セミナー参加者を追跡し、関係者との接触を試みる

3.「共鳴の会」の過去の活動を調べ、背後にいる黒幕を特定する


投票締切は明日7時まで! 応援コメントに選択肢番号と理由を記載してください。

あなたの選択が、芹沢たちの次の行動を導きます!


読者へのメッセージ


「共鳴の会」の実態が少しずつ明らかになってきましたが、まだ全貌は掴めていません。次回の行動が、事件解決への重要な一手となります。どの選択肢が真相に近づくカギとなるのか、あなたの推理力で導いてください!


物語はますます深まります。次回の展開をお楽しみに!

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