第3話 勇者の抗い
屋敷から少し離れた森の中
「フラン、やっと見つけた…」
「…帰ったか。なあドナを見つけなかったか? 」
「ドナなら屋敷に戻した。これから会議するぞ。 」
「わかった。行こう。 」
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屋敷の大部屋にて
「今戻った。 全員いるか? 」
部屋には4人の魔族がいた。
「り…リンリット! あれはどういうことなの? 人間は僕らの敵なのになんで迎い入れたりするんだよぉ…僕知らないからねっ! 」
「ドナ、落ち着きなって! そう心配する事無いよ。 」
「待て、ティアとアイズはどこにいるんだ? 」
「今アイズがティアを起こしに行ってるわ。 きっと今駄々をこねてるわよ。 」
すると部屋の扉が開きティアを引きずるアイズが部屋に入って来た。
「わりぃ遅くなった…」
「やだうち部屋戻って寝るーもしくは永眠するー! 」
「バカ言ってんじゃねーよ! 後で飯作ってやるから大人しくしろ! 」
「わかった頑張る」
「相変わらずチョロ〜w 」
「ギフト、次何か言ったら首根っこ噛み切るよ。 」
「ご、ごめんなさい…」
「全員揃ったな。 今から少し、話し合いをしよう。 」
「そういえばリン、お前勇者に呪いかけられてたろ。 どうなったんだ? 」
「…まだ不明だが、少しわかったことがある。 ギフト、お前のナイフを貸せ。 」
「え? 別にいいけど何する気? 」
「実験だ。 」
「ふーん…」
不思議そうにギフトはナイフを魔王に貸した。
すると魔王はそのナイフで自分の腕に切り傷を作った。
「は? ちょ、何してるのリンリット! 血…血!! 」
「少し待て。 今に分かる。 」
すると異常なスピードで切り傷が治った。
「リンリット、これはどういうこと…? 」
「…恐らくだが、俺は不死の呪いにかかったらしい。 」
「それはどういうことだ。 ちゃんと説明しろ。 リン」
「勇者との戦いで負った傷が、いつの間にか治ってたんだ。 そこから段々と説を立てて…今の結論に至った。 」
「それってさぁ…不老不死…ってこと? 」
ティアが発言した途端に、無言の時間が少しできた。
「確かに…その説もあるな。 」
「だな。 」
「ギフト、後で俺に色々試してみてくれ。 」
「えー俺ー…? まあいいけどさぁ…それで死んじゃっても知らないからね! 」
「そしたらテメェをアタシが殺す。 」
「それはもう酷くない? 」
「ア”? 文句あんのかよ? 」
「当たり前でしょ何いってんの! 」
「落ち着けよ貴様ら…いつも喧嘩ばかりで飽きないな…ドナとエーデを見習え。 兄弟なのに喧嘩したことほとんど無いぞ! 」
「うるさいフランは黙ってて! 」
「絶対貴様らの方がうるさかっただろ!! 」
「ねえ、あの人間…どうするの? うち人間嫌いって知ってるよね? 」
「それは悪いが我慢してくれ。 …たかが数十年待てばいいだけだ。 」
「…はぁ、じゃあうちにあの人間のお世話係押し付けたりしないでよね。 そしたらうち1人で世界滅ぼすから。 」
「…ってか、人間ずっとほったらかしにしてていいのか? 流石に見に行ったほうがいいんじゃ…」
「そんなに気になるのなら貴方が世話係をしたらどうかしら? 貴方面倒見もいいし家事得意じゃない。 」
「え」
すると他の魔族もそれに賛成し速やかに部屋を去っていった。
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