1章 生徒会長との出会い
「みんなー今からイベントを始めるよー!!」
校舎の前で、
生徒会長はその場に立ち、巧太郎に視線を向けながら、楽しそうに微笑んでいた。
その表情には、ほんわかとした柔らかさが漂い、どこか嬉しそうな気配があった。
榛奈は兄の事を自慢げに言っていたのだろう、榛奈が知っていることを。
「兄さん、はい!!」
その瞬間、榛奈が元気よく声を上げながら、母の剣「
榛奈の顔には、どこか誇らしげな表情が浮かんでいた。彼女は兄を信じている――その気持ちが、巧太郎の胸に強く伝わる。
巧太郎は剣を受け取ると、少しだけ力を込め、剣の刃にわずかな炎の気配を感じ取った。ほんの少しだけ力を込めると、剣から炎が揺らめく。
彼はその炎を見つめながら、母の存在を感じ取っていた。
生徒会長が、楽しげに言葉を放った。
「来なさい、巧太郎。」
「はい!!」
その言葉が、戦いの始まりを告げる合図となった。彼女の目は、まるで試練を楽しむような光を放ち、その瞳に込められた意思を感じる。
榛奈が少し後ろに生徒たちを誘導してから、戦いが始まる様子を見守った。
巧太郎は、
戦いの中で、瑛璃栖は軽やかに動きながら、笑顔を浮かべて言った。
「私は藤女子学院の生徒会長、
その言葉と共に、攻防が続き、まるで踊っているように動きながら巧太郎の攻撃をかわしていく。
巧太郎はその楽しげな顔を見つめながら、彼女が楽しんでいることを感じ取る。
そして、彼もまた、戦いを楽しんでいる自分に気づきながら、同じペースで応じていた。
次に何が来てもすぐに対応できるかのように。彼の動きは無駄がなく、落ち着き払っていた。
戦いが続く中、瑛璃栖は軽快に動きながら、剣が交差した瞬間に素早く後ろに飛び引き、技の構えに入った。
その動きは舞うように美しく、戦闘の流れをしっかりと読み取っていた。光の力が剣に集まり、次の一撃に備える。
巧太郎はその動きに次の展開を察したような表情を浮かべ、すぐに母の剣『
彼は静かに迎え撃つ準備を整え、相手の動きを見極めようとした。
「私のホーリークロスを防いでみなさい」
瑛璃栖が言い放ち、技を放つ。光の力が剣を包み、その刃が煌めく。しかし、
巧太郎は冷静に力を籠め、一閃。彼の刃が煌めき、ホーリークロスの光を打ち払った。
数秒の沈黙が続き、その後、榛奈が戦いの中でその光景に見惚れていたため、「そこまで」の出す声が少し遅れた。
声を出そうとしたその瞬間、学園長が榛奈の後ろに現れ、大きな声で
「そこまで!!」
と宣言した。学院内の空気が一瞬で変わり、戦いは静かに終結を迎えた。
巧太郎は「
その後、瑛璃栖が榛奈の手を握りながら
「楽しかった」と言い、榛奈は
「やってよかったでしょ」と返す。
その微笑ましい様子を学園長は静かに見守った後、校舎に入るよう促した。
その時、校舎の屋上に自衛隊の輸送ヘリが降り立ち、そこから降りてきたのは巧太郎の父だった。
学園長は彼を見て軽く頷くと、巧太郎を連れて学園長室へと向かった。
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