戦剣―触れし意思、紡がれし想い―
たろうEND
プロローグ
「
その名前は、ただの学校名ではなかった。ここは、
しかもその資格を持つのは、女性だけという特別な条件がある。その門の前で、一人の少年が立ち尽くしていた。
校門からは、笑顔で登校する女子生徒たちの姿が見える。この学院は、普通の学校と変わらないように見える。
実際、多くの一般生徒が勉学に励み、部活動に勤しむオープンな環境だ。
しかし、その一方で、ごく一部の生徒だけが
その門を前に、少年は静かに目を閉じ、決意を噛み締めていた。
「俺も、今日からここに通うんだ。」
母が自分を庇い重傷を負ったあの日、何もできなかった自分。
父の勧めで、叔母である楓のもとで剣術を学び始めた日々が頭をよぎる。
学院への入学を押し通したのは父だった。学院を運営する
少年は校門をくぐり、広い校庭を見渡した。妹が持つ母の剣。そして、自分にはまだ手に入らない
この学院で何を成し遂げるべきか――それを問い続けるのはもう終わり。ここで戦い、自分に与えられた役割を果たす。それが彼の決意だった。
「ここから始めるんだ。」
彼はまっすぐに校舎へと続く道を歩き出す。その瞳には、覚悟と希望が宿っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます