第25話「笑顔のレシピ」
水晶から響く不思議な笑い声。
それは次第に、温かな光に変わっていく。
「これは...」学院長の表情が変わる。「予想外の反応...」
紫の光が、エマたちの魔力くしゃみと混ざり合い、まるで万華鏡のような模様を描く。
「見てください!」リリアが測定器を確認する。「この波形...まるで...」
「ケーキを作る時の温度曲線みたい」フェリシアが気付く。
古代の料理人の幻影が、ふっと微笑む。
「そうか...私たちが忘れていたものを、この子たちは...」
「くしゅん!」
エマの虹色の魔力が、優しく空間を包む。
「学院長」一郎が静かに語りかける。「料理の本当の力って、きっとこれなんです」
広場に集まった人々の表情が、次々と和らいでいく。
世界中の料理人たちの魔力くしゃみが、自然と調和を奏で始める。
「ふふ」学院長の目から、不思議な光が消える。「私の負けね」
「え?」
「実は、これも実験の一つだったの」学院長が杖を下ろす。「現代の料理人たちが、どんな答えを出すのか...」
「まさか」ガストンが髭を撫でる。「最初から?」
「ええ」学院長がくすりと笑う。「でも、案外良い結果が出たかしら...くしゅん!」
金色の花びらが、広場全体に降り注ぐ。
「さぁ」一郎が声を上げる。「本来の料理を完成させましょう!」
世界中の料理人たちが、再び動き出す。
今度は、古代と現代の技が、自然な形で溶け合っていく。
魔法陣は優しく脈打ち、食材たちは楽しそうにダンス。
水晶の中では、古代の料理人たちが穏やかな歌を口ずさむ。
「くしゅん!」
「くしゅん!」
「くしゅんっ!」
魔力くしゃみの光の花が、次々と咲き誇る。
そして出来上がったのは...
「世界の笑顔レシピ~古今東西の魔力ハーモニー~」
観客から歓声が上がる。
「美味しい!」
「心が温かくなる!」
「もっと食べたい!」
「これで一件落着ね」学院長が満足げに。
...と思いきや。
「あの」エマが水晶を指差す。「まだ何か光ってる...」
確かに水晶の中で、小さな光が踊っている。
まるで、次の物語を待っているかのように。
「ふふ」学院長が意味深に微笑む。「さて、次はどんな実験になるかしら?」
広場に沈む夕日を背に、新たな冒険の予感が漂っていた。
異世界グルメ王~失意のシェフ、魔法の料理で再起を考える~ ソコニ @mi33x
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