第9話 梅雨前線

 2019年9月。台風がやってきた。君の名は15号。15番目に日本へ旅してきたものらしい。彼らは外側をゆっくり北上し、満足したらいなくなる。かなり気分屋だ。9月はそんな調子で、ほとんどが雨天でどこも出かける気になれなかった。

 何か変わったことといえば、台風と共にやってきた彼女。雨の日で電車が動かないので家に少し雨宿りしたいと言ってきた。ずっと拒絶していた僕は、いつの間にか諦めて彼女の話に聞き入っていた。

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