第五章 大好きなママ

僕は今年、高校生になった。


夏休みも過ぎて。

クラスメートともなじんだ頃。

特に親しい友はいない。

一人を除いて。


彼、高杉正(ただし)については後々、語ります。


今は。

そう。


大好きなママについて。


ママは今年、31歳。

僕が16歳だから。

親子の年齢ではない。


そう。

ママは本当の母ではない。

僕が四歳の時に両親の代わりに引き取ってくれたのだ。


だからだろうか。

僕と見比べると姉と間違われる。

実際、ママはクラスメートの女子と変わらないくらいに若く見える。


元々、コケティッシュな顔立ちのせいもあって。

普段から化粧をしないのに瑞々しい表情は。

いつも僕の胸を。

ときめかせてしまうのです。


あぁ・・・。

ママ・・・。


どうして僕はママをこんなに好きなのだろうか。


幼い頃から。

僕を常に愛し続けてくれていた。

両親は僕が四歳の時、事故で死んだ。

泣きじゃくる僕を残して。

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