第2話 幼馴染1
夏休み一日目。
両親を送り出してから、雑用を済ませてテレビを見る。
「今日も
今日の
大手は、五社だけど、二社は休業みたいだ。
それと……、小規模なギルドもある。数人単位で
「配信もされているんだよな」
動画配信の人気コンテンツだ。
美女の服が破ける程度の放送事故は、日常茶飯事。
後からモザイク処理されるけど、生配信は防ぎようがない。
薄着の美女たちをメイン
「年齢制限をかけろよとか言いたいけど、将来を見据えると低年齢からの育成が必要なんだよな。『適正者』は、何処で生まれるか解明されていないし。少なくとも血統じゃなかった。『適正者』同士の両親から、一般人が産まれるのは周知の事実だし」
考えていると、テレビの画面が変わった。
『ご覧ください。東京の最難関
「……んっ?」
ここで見知った顔を見つけた。いや、見知った姿か。雰囲気で判断できる。
見慣れない装備を見に纏っていたので、発見が遅れたみたいだ。
「
総勢、30人のパーティーみたいだ。
それと2人は、顔を隠している。正式加入って訳じゃないみたいだ。
「装備からして、
同じ高校の生徒は、2人だけみたいだ。ちなみに適正者だけの高校は、各都道府県にある。
もしくは、今日は他の
考えていると、
自分の部屋に戻り、パソコンを立ち上げる。
『さあ今日は、最長踏破記録を塗り替える覚悟で進みましょう!』
渋谷の
司会の人は、テンションが高い。幼馴染の2人は、最後尾で着いて行くだけみたいだ。
あの位置なら、全滅しなければ安全だろう。
パーティーが、
Cランク以上の
「渋谷にあるAランクダンジョンだよな。俺では倒せそうにない
正直、攻撃力が違う。俺は、自分の短銃を見た。これも、扱う人によっては、威力が大きく変化する。
要は、
幼馴染の2人は、慣れない武器の試し切りをしている感じだ。槍とメイスかな? 借用品みたいだ。もしくは学校が用意した
まだ余裕がありそうだな。
◇
4時間が経過した。生配信を見ていると、本当に時間が潰せる。
だけど、内容が怪しくなって来た。
「
同時接続の数もかなりの数になっている。
ハルカは、戦闘もできる
幼馴染の2人は、死なないだろう。もしくは、死亡するのであれば最後の方になるはずだ。
「さっき
悪趣味だとは思うけど、命がけの冒険ほど面白い配信もない。古代のコロシアムでの決闘はこんな感じだったんだと思う。
女性のポロリシーンには、大量のスパチャが飛ぶほどだ。回復魔法があるとはいえ、防具を考えた方がいいと思うんだけど。いや、狙っているのかな? チャイナドレスなんだし。
そして、
今や
『見慣れない
司会の人が、危機感を煽る。
パーティーの消耗は、半分くらい。そんな状況で、未知の敵と当たるのは、愚策だと思うんだけどな……。
パーティーの行動は、Aランク冒険者三人が決めているらしい。
そして……、戦うのか。
『前衛が、崩れ出しました!』
30分程の戦闘の後に、
それと、
ここで、幼馴染2人が前に出て来た。
「危なくないか? 判定としては、Aランクの2人だけど……」
幼馴染の死亡シーンなど見たいとは思わないけど、見ない訳にもいかない。ハルカのポロリが見たい訳じゃないんだけどね。
それを、シュウが受け流す。カン高い金属音が響き渡る。
ハルカが、飛び出して、メイスを叩き込んだ。
怪力の
「……おいおい、一撃かよ。いや、
だけど、油断などないとばかりに、シュウが槍を放った。
一撃が20mm口径の弾丸くらいの槍の連打で、
『おお! 臨時参加の高校生カップルが、やってくれました! 見てくださいこの魔石の大きさを。数年後には、エース級の活躍を見せてくれるでしょう!』
司会者が煽っているよ。
2人は、顔を隠しているので身バレはないと思う。。
それでもチャットは、大荒れだ。
『絶対、イケメンと美少女だよね! スタイルもいいし! アスリート顔負けのスタイル!』
『カップルなのかよ』
『どこの高校生だよ。スカウト金額が過去最高を更新しそうだな』 etc
スパチャも飛び交っている。あの2人は、今日一日で俺の父親の年収を超えそうだ。
俺は、パソコンを消した。あの2人なら、死ぬことはないとの判断だ。
「さて、俺は掃除でもするか。夏だし、草むしりがいいかな」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます