痛みのゆきさき (名旅(なたび)が悪だったら)
どうか、願うと、歩く純白が降る黒い大地は、
純白を吸い込んでゆく、雪は純白から濁った泥に変わる頃。
「始芽
素晴らしいだろう」
さあ、血が舞うよ、川の水飛沫のような、
絵の具の赤が黒く濁れば良い味と香る、
まあ、好みによるけど、君も一口どうだい。
ーなんてね
あの頃の13歳から、今、16歳の俺たちは、
それぞれの道に分かれた。
だが、良くよく俺は考える、
彼は独りだ。
たくさんの彼の部下が死んで逝った、
全員、彼を許していない、か、と言えば、
俺の心を見て、俺の考えに賛同した。
彼は誰も信じずに行く気だ。
俺が騙されたと、知って、
始芽さんが怒り狂って、剣を天を向けて、
止めを刺して、彼は狂ったように笑う、
だが、俺の目を見て、彼は恐れた。
「あなたは独りで逝く気ですか」
暖かくしてくれることが無い世界で、
こんな生き物が本当に居るとは、
とか、この世界で唯一のここまで、
慈しみの目をしている、なんでだ、
本物なのか、と涙目になってゆく、
彼は、いや、計算はしていた、と、
言いながら、後ずさる彼に、
それに俺は嬉しくて、
あなたの友人になりたいと、言えば、
彼はまた恐れた、その彼に負けずに、
手を差し出せば、
彼は、
涙を流し、鼻水は出て、それに、可愛い友人が、
出来たと嬉しい気持ちの俺を見て、彼は、
じっとこっちを見ながら、また後ずさるかなと思いながら、それに笑顔で、なんですか、と、
出来るだけ優しく言えば、彼は、
涙を流しながら、私もなりたい、と、
真っ黒な雲から光がこぼれ落ちた。
短編作品 葉っぱ @kourogi1278
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