走馬灯
名旅と俺は、
ゆっくり、と、息をした。
準備はできている。
「行さんっ!解土地さんっ!
諦めないで下さいっ!!」
俺たちは、死ぬんだ、
瞬間に痛くなる、彼らを彼に返せるには、
これしかない。
はっきり言って悔しくて堪らない。
ゆっくりと、名旅との出会いを思った。
「どうしましたか?」
その言葉は、名旅がまだ、
始芽さんと敵として戦う前、
彼が悲しげな目で、
始芽さんを向けていたからだ。
じっと、見た瞬間に名旅は、
俺に低い声で聞いたのだ、
背中が冷たくなっただが、
負けずに、答えた。
「何があったのか、心配しました。」
その言葉を聞いて、彼は、
冷たい氷のような光を目に宿しながら笑った。
魔法の気配を感じて構えれば、
彼はまた笑った。
それでも、俺は立ち止まることはしない、
もうここで決定だった。
心を読んだ気配があったのだ。
その気配を辿れば、彼の心を見れた。
よかった、正義の人だと、
安心して、笑えば、彼は泣いた、
これが俺にとっての始まりだ。
痛くなる身体を、使いながら、
名旅を見れば、俺に謝った。
「大丈夫だ、お前に嫁が出来ても、
いつも、一緒だ。」
彼は、あ、りがとう、と言った。
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