第8話:未練たらしい大福。

僕はもうしゃべる気もないくらい意気消沈していた。


「なに?・・・そんなに落ち込まないで?」

「私がすっごく悪いことしてるみたいじゃない」


「もういいから・・・ごめん・・・あ、明日、僕が学校休んでも気にしないでね」


「え?・・・うそ、私がこれっきりって言ったから?・・・そんなことで学校

休んじゃダメだよ」


「いいよ・・・もういいんだ・・・僕の将来も未来ももう真っ暗だから」


「ちょっとぉ・・・もう・・・」

「そう言うのダメだよ・・・私、付き合うつもりないよ」


「さよなら茲夏さん・・・元気でね」

「僕はいつでも君の幸せを願ってるよ・・・」


大袈裟じゃなく本当にまじでショックだったんだ。


「もう、そう言うの卑怯だよ・・・私の同情かおうとして・・・」


「そんなんじゃないよ・・・たださ・・・どうしても諦めきれなくて」


「たとえばさ、自分にとってこの人って思った人と永久に会えないって

なったらどうする・・・もしその人と巡り会えても自分の前をただ通り過ぎてく

だけの存在の人だったとしたら?」

「もしさ、その人が運命の人だったとしても・・・」


「そんなの悲しすぎるよ」


「その運命の人って私のこと言ってるの?」


僕はただうなづいただけだった。


「もう・・・そんなの・・・」


つづく。


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