第6話:途中で野垂れ死したって・・・。

「映画のチケットが一枚余ってるんだけど・・・」

「ひとりで行くのもなんだし、観に行かないかな〜とか思って」


「それでデートに誘ってるのと同じだよ」


「一度でいいから・・・頼むよ」


「しょうがないわね・・・」

「そうだ・・・塩豆くん・・・教の帰り私を家まで送ってくれない?」


「え?・・・そ、それどう言う意味?」


「もし塩豆くんが私の家まで送ってくれる気持ちがあるなら、送って、そしたら

映画に付き合ってあげてもいいけど・・・」


「お、送る・・・たとえ茲夏さんの家が何千キロ離れてようと世界の果てまでも、

途中で野垂れ死したって、送ってく・・・絶対」


あの、忘れてたけどみんな見てるよ・・・。」


そんな訳で僕はそのままミルクを家まで送って言った。


ミルクのお父さんはいい会社に勤めてるのか、セキュリティーの行き届いた

マンションに暮らしていた。


「塩豆くん、ありがとう・・・じゃ〜約束通り映画ね」


「うん、君の家も分かったし、土曜日の朝、迎えに来るから」


「分かった・・・でもデートは今回限りね・・・次はないから」


「う、うん・・・」


・・・ミルクの家まで歩いて30分、僕の家まで帰るのに小一時間・・・。

ミルクと映画を観に行けるなら短い距離だよ。


つづく。







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