好きなものほど上手なれ
ここまでで散々の限界度を見せつけてきた彼だが、いくらほぼ全ての講義で落単ギリギリの出席度とは言えども好きな講義はあった。その講義は全て出席し最前列で受講するほどの熱意を持っていた。
この講義にはテストがある。SからDの評価がつけられDは落単である。しかも自作のカンペを持ち込み可能で暗記の苦手な彼にとってはもってこいの授業であった。
試験当日、前日用意したカンペ用紙と珍しくここまで真面目に受けてきたと言う自信とやる気を携えて大学に向かった。
普段より空欄が埋まる感覚に喜びながら試験を受け、学校を出る彼の顔は晴れやかであった。
時は流れ試験結果の公開日。結果を見るとそこの評価は
「B」
そもそもカンペが必要な時点で彼の小さな脳に残るだけの知識で解ける問題など少なかった。そして、普段勉強などしない彼のまとめたカンペは散々なものだった。
結局、好きなものを上手になるにも嫌いなものへの努力をしなければならないのはどこも一緒なのだろう。
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