第4話
創也くんは私の傷をみると悲しそうな顔をする。《なんでも話してや。いくらでも聞くで。》と決まって言う。別に話す程辛い事も無いし、凄く苦労している訳でもない。《話すことなんてない。》そう返す。そうすると偽物の笑顔を浮かべて《そうかぁ。》と言う。彼ならもっと上手く笑える。自然に心から笑っている時は、もっと幼くあどけない顔をする。偽物の笑顔は妖艶だ。艷やかな笑みは色気が漂う。しかし、それは彼が作った笑顔であることは分かっている。
「創也くんのその笑顔嫌い。」
「えっ。なんでや?」
「偽物でしょ。それ。」
「まぁ、そうやなぁ。大体の女の子はこれで落ちるのになぁ。」
「私は、もう一つの笑顔のが好きよ?」
「なんやそれ。」
「幼くあどけない笑顔。そのほうが創也くんっぽい。」
「我、そんな顔して笑えるんや。気づかんかったわ。」
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