第3話
名前も知らない。グリーンアイの彼に告白されてから、彼は毎日会いに来た。一個下の一年生。天城創也くん。何処かの国とのハーフらしい。金髪翠眼の彼は学園で王子様と呼ばれていた。そんな彼が会いに来るのだから私も有名人になっていた。まぁ私が多少マシな見た目をしているだけあって異論を唱える者はいなかった。
「雨月サァン。」
今日も来た。
「何。」
「そろそろ翠さんって呼んでもよろし?我のこともそうくんって呼んでや。」
「ヤダ。」
「えぇお願いや雨月サァン。創也くんでもええんやで。」
「うう~ん。それならいいけど。」
「ありがと翠さん。好きやで。」
「てかそれは何弁なの?」
「至る所のハイブリッドやからなぁ。分からんわぁ。小そうころは転校ばかりやったし。」
「そう。」
初めて、天城く……創也くんの闇に触れた気がする。幼い頃の事を思い出している創也さんの眼は少しばかり開いていた。
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