第2話

 夏が来た。半袖にならざる終えない。いつまでも長袖でいる訳にはいかない。痛々しい傷痕があらわになった。誰も気づかない。気づいていても見て見ぬふりだ。誰も他人に寄り添う程、暇じゃない。こんなもんか。薄情な奴らだ。


「どうしたんや。この傷。獣にやられたんか?」


獣って、こいつバカ?大都会に獣もクソも無いだろ。


「はぁ?自分でやったけど?」


「こんな陶器みたいで綺麗な肌、傷つけたあかんわ。」


「それが?あんたには関係ないわ。」


カッと目が開く。今まで開いていなかったその目は美しいグリーンアイだった。


「関係ある。我の好きな人やもん。」


思わぬ告白に目が点になった。


「知ったこっちゃないわ。」


そう言って後にした。

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