第5片

 会議室のドアが開くと同時に、僕は会議室の広大さに圧倒された。通っていた高校の体育館と同じくらいの広さだ。


 僕が足を踏み入れると、会場が騒めいた。僕は周りを見回す。何か騒ぐようなことが起こった訳でもない。


 そういえばさっきも、僕が待合室に話している時にコソコソと話す人がいたりした。何か噂でもまわっているのかもしれない。僕は、それを後でレオに聞くことに決めた。


 受験票に書かれた番号の席に向かった。たまたまかもしれないが、今日の日付になっている。僕はまた、さっきの噴水の虹のように幸運を呼び寄せているのかもしれないと思った。



 僕が席に着くと、中央に座っている総司令官のリアムが話しはじめた。


「今からウェザーヒーロー試験を始める……だがその前に、デイドリーム・ココ」


 僕は、予想外の名出しにビクッと肩を上げた。そして、「はい」と頼りないような、震えた返事をした。


「君は時間に間に合っていない。よって、10点減点しておく。」


 僕は「みんなとそう変わらず、会議室に着いた」と思っていた。もしかすると、あの不思議な気持ちについて考えていたので、歩くのが遅くなってしまったのかもしれない。


 少なくとも自分は間に合ったつもりだったので、僕は一瞬、反論しようとしたが、心に留めておいた。反論したら、また減点されるかもしれないと思ったからだ。


 「では、始めようか。最初は面接を行う」


リアム司令が言うと、会場が一瞬凍りついた気がした。僕の肩が上がる。リアム司令はカリスマ的な、何かを持っているのかもしれない。


 そうして、試験が始まった。

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