第5片
会議室のドアが開くと同時に、僕は会議室の広大さに圧倒された。通っていた高校の体育館と同じくらいの広さだ。
僕が足を踏み入れると、会場が騒めいた。僕は周りを見回す。何か騒ぐようなことが起こった訳でもない。
そういえばさっきも、僕が待合室に話している時にコソコソと話す人がいたりした。何か噂でもまわっているのかもしれない。僕は、それを後でレオに聞くことに決めた。
受験票に書かれた番号の席に向かった。たまたまかもしれないが、今日の日付になっている。僕はまた、さっきの噴水の虹のように幸運を呼び寄せているのかもしれないと思った。
僕が席に着くと、中央に座っている総司令官のリアムが話しはじめた。
「今からウェザーヒーロー試験を始める……だがその前に、デイドリーム・ココ」
僕は、予想外の名出しにビクッと肩を上げた。そして、「はい」と頼りないような、震えた返事をした。
「君は時間に間に合っていない。よって、10点減点しておく。」
僕は「みんなとそう変わらず、会議室に着いた」と思っていた。もしかすると、あの不思議な気持ちについて考えていたので、歩くのが遅くなってしまったのかもしれない。
少なくとも自分は間に合ったつもりだったので、僕は一瞬、反論しようとしたが、心に留めておいた。反論したら、また減点されるかもしれないと思ったからだ。
「では、始めようか。最初は面接を行う」
リアム司令が言うと、会場が一瞬凍りついた気がした。僕の肩が上がる。リアム司令はカリスマ的な、何かを持っているのかもしれない。
そうして、試験が始まった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます