第21話 俺に許嫁が?(4)

「そうか」

「うん、そうよ。あなた……。これで新作のお嫁さん探しを将来しなくてすむわよ。良かったわね、あなた……」


 家のお袋さま親父さまへと微笑みながら、また息子の俺のことを侮る言葉を告げる。


 だから俺はお袋さまにいい加減にしろよ! と言いたい。


 いくら超真面目な格好をして、鈍い、ドジな亀さんに見える俺でも、久美ちゃん先生と毎日午後の個人レッスンを受け、好い仲になりそうな雰囲気なのだぞ! 


 だから息子のことをなめるな~! と怒声を吐きたい衝動に駆られるけれど。俺はお母ちゃん子の甘えん坊だから、お袋さまに対して頭が、上がらない立場だから、不満を告げることはできないから。俺はお袋さまの悪態に対して耐え忍ぶしかないと思えば。


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