第12話 転校する? しない? (2)
「母さん?」
「何、あなた?」
「新作がやっと大学行こうと勉強をする気になったのだから。あいつだけ、この家に一人で住ませて。俺達二人で会社の移転先へと引っ越すか?」
えっ! マジ? 嘘だろう?
そして俺の口から、ありがとう~! とお礼を言いたくなること……。
そう、俺~、ヒ〇キ~! 感謝! 感激! バ〇モン〇カレー!と歓喜、感動しながら、今流行りの芸能人さまのコマーシャルを言いたくなるようなことを家の親父さまはお袋さまへと提案したのだった。
◇◇◇
「う~ん、そうね」
家のお袋さまは、親父の提案と問いかけを聞き、どうやら考える人へとなり呻り、思案をしているようだ。
だから俺は、お袋さま頼むよ。親父の提案を飲んでくれよ! 見逃してくれよ! と、自分の両手を合わ祈る! 神さま! 仏さま! 俺の願いを叶えてください! 貴方の命令を何でも聞きますから! と。俺は神頼みもした。
「どうする、母さん?」
「う~ん、そうね、お父さん……。この家の近所には、健ちゃんがいるから駄目よ……」
俺が神頼みまでしたのにこの通りだ。家の近所には幼馴染の超ワル、ヤンキーの大島がいるからお袋さまは、俺の一人暮らしは反対だと告げた。
でも俺は中学校へと進学してからは、近所の幼馴染と学校では会えば会話をするけれど。家に帰宅してまで大島達、地元のヤンキー達と遊ぶことはないから。
家に訪ねてきても担任の久美ちゃん先生が次期に俺を尋ね、通い妻になるぐらいだ。えっ、ヘヘへ……と、俺が不満を漏らしたい衝動に駆られると。
「……ん? 何、でだ、母さん?」
家の親父さまも俺と一緒で首を傾げてしまう。
「ん? 何で、ッて、お父さん……。健ちゃん達に不良学生達に、新作が一人暮らしだと悟られると。この家が不良達の溜まり場……。不良達が大騒ぎをする度に新作も一緒に、警察の御厄介になるようになるわよ、お父さん……。それでも良いの?」
家のお袋さまは、俺が自分の頭を抱えたくなるようなことを親父さまへと忠告する。
だから下の部屋で「…………」と少しの間沈黙が訪れ、間が開けば。
「あっ! 本当だ! 母さんの言う通りだ!」
と親父さまはお袋さまへとナイスと告げ。
「母さんは本当に偉いな……。儂がヨシヨシしてやろう……。ここが良いか? ここが? 母さん、この辺りが良いか~?」
家の親父さまは俺が二階の自分の部屋から畳越しに聞く耳を立てているなんて知らない……。
そう彼は息子の俺が必死に勤勉しているとばかり思っているから、またいやらしい、スケベな笑みと口調でお袋さまの熟れた身体を悪戯し始めるから。
おい! ちょっと待てよ! クソ爺! 今はそんないやらしいことはしないで……と言うか?
あんたはもう、二回もお袋さまで男の性を成就しているだろうが~~~! なのに~~~? まだ足りねぇと言うのか~~~? あんたは~~~? もうどれだけ元気がいいんだよ! 家の親父さまは~~~! と。俺が二階でまた悪態をつけば。
「あぁ~、ん」とお袋の口からまた魅惑的な声……。嬌声が漏れ。
「お父さんは、もう~」とお袋さまうら若き乙女のような甘え声音での不満も漏れ。
「あっ、あん、あぁ……」とまた掠れ声……。嬌声が本格的に漏れ始めるから。
俺はマジで勘弁してくれよ、二人は……と不満を募らせ。もしかして下の二人はもう既に、息子の俺の存在を忘れているのではないか? とも思いながら、また自分の両耳を両手で塞ぎ、親父さまとお袋さまの第三ラウンド! ファイト! を聞かないように抗う。
◇◇◇
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます