第17話愚者に舐められた傭兵がつけるケジメの下準備
「はぁ〜ようやく部屋に荷物置けるぜ。
店と店長が最高だったのに腐った従業員がいたのが哀れだぜ。
誘蛾灯に群がる蛾の如くバイト面接に来るんだろうな」
「オタクってのは好きな対象の為なら常識のネジが緩みやすくなる人種だからねぇ。
アレはそもそもマトモな常識すら教えられてない系だけど。
そうそう、普段は雇われ店長や副店長に主任と言ったメンバーが持ち回りで面接を担当してるらしいよ?
そうなると担当の人を見る目にどうしても質のバラつきが、ね?」
「なるほどなぁ。1人は確実に無能だったし、反対しても押し切られたりしてたんだろうなぁ」
そう言いながら銃と弾薬の入ったケースを鍵付き倉庫ルームにしまって鍵を掛けた。
そして近接に必要な装備であるナイフ各種をコートとズボンに隠し、移動中に寄って買った幼女用のエプロンドレスをショルダーに入れて、あるコンセプトをベースとした報復をする為の下準備が終わる。
「お得意様、人があまり通らず監視カメラがほぼ付いてない公衆トイレに案内するよ。
姿を変えた後はそのショルダー、代わりにおれが持っとくけどいいよな?」
「情報屋なら構わん。余計な事はしないって信用あるからな」
「ふふ、それは光栄だね。じゃあ、変装する為のトイレに行くよ」
「ああ。女子トイレに入っても疑われないよう歩きながら少しずつ女に切り替えていくから、それ意識して歩いてくれよ?」
「傍から見ると歩くアハ体験だよね、それ。
面白いから観察するけど」
「俺もそう思うが顔つきと胸と髪型を少しずつ変化させれば、よほど長くガン見してないと通行人は気付かねぇって。
ついでに西洋人形メイクする為のコスメも入れてあるんだぜ? これで万全だろ」
「確かに歩きながらその辺歩いてる人を長く見るのはおれでも無理だね。
怪しまれておしまいだ」
情報屋は肩を竦めて顔を横に振って、大袈裟に自分は無理アプローチをする。
「打ち合わせと雑談はこれで終わりだ。
さぁ、行くぞ。あのバカの動きはスマホ通して分かってんだろ?」
「そうだね。店長からは閉店時間まで店に居させると連絡あったから、ちょうどいい時間になる。
シャワーも夕食も済ませたし、変装の時間も入れるとだいぶ暗くなって今回のコンセプトに合うだろう」
「そいつぁいい。演出にピッタリなのは最高じゃねぇか」
そう軽口叩き合いながらホテルを出て、目的地へ向かう2人。目撃情報を増やさない為に徒歩であるが、2人には問題ないようだ。
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