第14話どんなに良い店でも傭兵に絡む愚か者はいる
「おっと、今のうちに支払いを済ませておいてくれないか?
残念ながらウチの店員にバカ疑惑が一人いてな。そのバカに見られる前に顧客情報をバカが絶対覗けないとこに移して管理せにゃならんのよ。
定期的に現れる顧客嗅ぎ回りバカは何なんだろうな?
サバゲー好きや銃オタクにゃ好奇心を満たす事が店の規則を守る事より大事なのかねぇ?
これでヤベぇ顧客怒らせて始末されたのが何十人目なのか気付いてねぇのが救いようがない。
バカの命より顧客の方がオレには価値があるね。
もちろん規則を守って真面目に働いてる店員なら大事だぞ?
人の命なんざ軽い。自分の周りの人間とどう関わってきたかで、そいつの命に価値が加わってやっと重みが少しずつ生まれる。
今のオレにとってバカの命はその辺のゴミと変わらんよ。
バカがやらかして顧客がバカの個人情報を要求したなら、快く全て差し上げて始末しやすくするくらいオレにとってバカの価値は低い。
だからバカが嗅ぎ回ってきたら始末して構わん。
手間賃兼ねた詫びにバカ消すのに使う弾を1ケースおまけでプレゼントするだけだ」
いきなりピタッと足を止めて語り出したと思ったらそんな事を話し始めた。
相当その店員は既にヤラカシを積んでしまったのだろう。
反省する事はなく店長には完全に見切りをつけられ、何なら物理的処分を歓迎までするとは徹底した顧客優先管理だ。
まぁ色んな実銃を求める客が猟師だけで済む訳がない。傭兵資格を取得して堂々と買いに来る裏稼業の住人もいる。
世界中がきな臭くなり傭兵の需要が急激に高まった結果、武器を所持して国外へ自由に行き来出来る傭兵資格のシステムが生まれたんでな。
武器の購入や所持の各規制がかなり緩和され、その流れで相手に武器を向けられた際の対処に対する法緩和もされている。
未だに人道的対処を!と叫ぶ平和ボケ花畑はいるが誰も相手をしない。
平和な国日本ですらここまで変わってしまった。
その傭兵の武器購入情報は個人情報と扱いは変わらねぇ。普通の店でも個人情報は慎重に扱っているのによ?
なのに何故、傭兵の武器購入情報が同じ扱いにならないと思えるのか。
誰だって己の手の内は極力知られたくないし、嗅ぎ回るなんて言語道断だろ?
「ふむ、ウザい害虫付きだが悪くない報酬だ。
弾ってぇのはどうしても金を食う消耗品だからなぁ。1ケースでも余分に手に入るのなら助かるってもんだ。
その分より多く稼げるしな?」
傭兵はニヤリとニヒルなスマイルを浮かべて承諾する。どうやらバカの命は弾1ケースで売られたようだ。
後ろでは情報屋がバカの情報を集める為に隠しカメラの確認をコッソリしている。
店長に教えて貰う前に全ての個人情報をすっぱ抜くつもりのようだ。
お気に入りの良質な店ともあって情報屋としても定期的に害虫駆除をしておくつもりらしい。
そんなやり取りしながら表のカウンターにようやく戻る事が出来た。
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