第13話傭兵はルームで静かにライフルを試す
「ここがオレの自慢する試射ルームだ!
どうだ、広かろう?」
「なるほど、見事な場所だな。
おっ? 奥に軍人の射撃訓練に使う狙撃穴の奴あんじゃねぇか。
いいねぇ、アレなら色んな姿勢で試せるぜ」
手前にあるのは一般的によく知られてる射撃場設備。
傭兵が指摘したのは軍人しか使わない、あらゆる角度からの狙撃を要求する遮蔽物を模した複数の狙撃穴のある遮蔽板。
万全の姿勢で狙撃出来ない状況を想定された設備で、それに合わせて訓練を積んだ軍人以外には無理だろうと思われている。
板ごとに空いてる穴の位置が違うのでかなり多様な姿勢を経験する事が出来るらしい。
「試射ルーム自体は危険物は基本置いてねぇからサバゲーの店員でも案内してもいい事になってる。
まぁ、客の持ち物に触ろうとするバカはいねぇはずだ。
あの三馬鹿トリオの末路を見た店員ならな」
「いたら容赦なく半殺しにしていいよな?」
「勿論だ。存分に病院送りにしてやれや。
あの末路見て学ばないバカはオレも要らんからな。
他人の武器に許可なく勝手に触るなんざ、本来ならぶち殺されても文句言えねぇ」
「銃に小細工されたくねぇしな。平和ボケでも他人の物は触らねぇって常識あればまだマシなんだがなぁ」
「まったくだ、ガハハ」
二人がそんな軽口を叩きあってる間に傭兵は穴付き遮蔽板の前に立ち、スムーズな動きで穴に合わせた射撃姿勢に変えていく。
次の板でも同じように繰り返し、板ごとに変えてる穴の位置を一通り姿勢確認すると上機嫌で戻って来た。
どうやら納得いくまで射撃姿勢の確認が出来たようだ。
「これはいいモノだ。残念だが今回は見送るが、ディーグル以外にも別の銃も追加で注文したい。
…構わんか?」
「構わん構わん。どんな銃がいい?」
「小銃としてM4カービン、サイドにはさっき言ったディーグルとM9バレッタを予備含めて頼む。
それに合わせた弾も型ごとに2ダースでよろしく」
「ちょうど保管してる在庫に全て揃ってるな。台車と露出を避ける為のケースを持ってくるから、ちょいと待ってな!」
二人でしばらく待っていると、ガラガラゴロゴロと音を響かせてケース2つと弾2ダースずつ入ったダンボールが乗って運ばれてきた。
「待たせたな!
その銃をこっちのケースに入れるといい。万が一を避けたいなら、ここで銃のチェックしながらしまえばいいぜ」
「助かるねぇ。旦那がそんな不良品掴んでねぇと信じてはいるが、万が一ってのはそれを超えてやってくるからな。
悪ぃが色々と確認させてもらうぞ」
「そんな事くらいでオレは気にしねぇよ。存分に確認してくれや。
安全は確認を怠る者にはやって来ねぇからよ」
動作確認をしつつマガジンの取り外しなど色々と手早く作業を進め、どんどんケースにしまっていく。
最後の銃まで終わると台車ごと表のカウンターまで共に戻る事になった。
今日は実に良い買い物が出来たと思う。次からはしばらくここで世話になろうか。
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