第12話平和な国で傭兵が手に入れる武器は…

時間は戻りミリタリーショップの奥にて武器鑑賞会。


「こ〜れは豪勢なもんだ! 死の商人でもしてるのか?ってくらいご立派な兵器ばかりじゃないか」


厳重な扉を開いた倉庫の中に眠っていたのは、まさに兵器としか言いようがないほどの威容を誇る銃の数々。

中には銃とは言い難いゴツい物もあり、使い手が限られるものばかりだ。

各ライフルは全種揃っているのか!?というほど壁に掛けられており、ロケットランチャーまで鎮座している。

これで死の商人じゃないのが不思議である。


「おっ? ディーグル(デザートイーグル)の実銃か。

これには昔かなり世話になったんだよなぁ」


「ああそれな、本来は実銃コーナーの棚に飾っておいたんだが、運悪く質の悪い店員を雇ってたみたいでな?


銃を構えあってポーズ取る悪ふざけをしてたから、こっちに一時避難させてたんだわ。

もちろんオレ直々に即刻クビにしたがな。心構えがなっとらん奴に銃を任せられるか。


店長とは言われてるがオレはオーナー店長だから、忙しい時はマジで店に出れねぇ時あんのよ。

そんな時の為の雇われ店長って奴を用意したんだが、店長ブートキャンプしてなかったせいかねぇ?

コイツも心構えゼロの役立たず店長だった上に、身内をこっそりバイトに入れてさっきのヤラカシだ。

まとめてクビにしてやったわ!

ガッハッハッ!」


当時の事を思い出したのか笑いながらコメカミがピクピクし始めていた。


「うわぁ…店長の旦那、災難だったな。

俺なら冗談で向けられたら条件反射で脳天撃ち抜く確信しかねぇわ。

これだから平和ボケは嫌ぇなんだよな。

サバゲーする癖に武器を扱う心構えがなっちゃいねぇ」


「いや、ホントにな。

実銃コーナーを利用する客なんてその道のプロだ。殺意があると判断して射殺したと言われても文句言えねぇのよ。


そんな事も分からねぇ奴が実銃を取り扱う店の管理するんじゃねぇ!っての。

現に日本の法律は実銃ショップ周りの法整備が進んで、冗談で銃を構えて向けて射殺されても正当防衛として無罪とするって決まってんだわな。


なのに平和ボケ連中は理不尽な法律だ!と喚きやがる。銃を扱うってのがどう言う事なのか分かっちゃいねぇ。

向けていい場所以外で遊びで向けたら殺されても文句言う資格ねぇのよ」


目の前に机があれば叩き割っているほどの怒りが真顔になってる目から滲み出ている。

相当怒りを溜め込んでいたようだ。


「そんな頭腐った連中と同類なら不当解雇処分だとか騒いだだろ?」


「確かに騒いだな。逆に起訴返ししてやったがな!

裁判官側もあの三馬鹿トリオを白い目で見ていたわ。


よりによって実銃コーナーで軽い気持ちで実銃を人に向ける遊びをするとか、平和ボケしとっても常識で考えると異常でしかない。

逆に店長権限を公私混同で濫用し不適切な人間を雇い、客に向けて危険行為をした上に店の評価を傷付けたとして、賠償金請求って流れになってな。


敗訴の腹いせにマスコミに同情を訴えようとしたみたいだが、遊び半分に実銃を向けられちゃ一般人だってたまったもんじゃねぇからよ。

マスコミ側からも遊び半分で実銃向けてくる奴に同情出来るかボケェ!って扱いで逆に叩かれちまってて笑ったけどな」


もしマスコミが三馬鹿トリオに乗ってMGSを叩こうものなら、マスコミを破産スレスレまで追い込むつもりだったらしい。

マスコミは一切学習しない情報とデマ拡散機構だから手加減する気は全く無かった、と。


「何なら物理的に潰されてもいいぐらいの無価値なゴミだな。

それよりこのディーグル気に入ったから予備含めて何挺か頼む。


後は…この狙撃しやすい奴らを試しに構えてみて構わんか?

俺の体とどれぐらいフィットしてるか確認しておきたい」


「構わんぜ! どうせならこっちの試射ルームで色んな姿勢を試してみるか?」


「助かる」


そう言って何挺かカートに積んで近くにある試射ルームに移動した。

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