第11話行商人は目的を一段階クリアする
「んふふ、やっぱ僕って天才だよね☆
これで15省は種植え終わったんだもん☆」
そう言いながら達成感ゆえか淀んだ目をしたまま蕩けた顔になっていた。
「にははっ☆ 主からいただいた使命が少しでも果たせて僕ぁ幸せだねぇ☆
この調子で少なくても芽吹きまでは終わらせておきたいな」
これで通常の省はあと7つだな〜と指で数えながら、自治区や行政区も潜り込まなきゃな〜と呟きながら小型のパソコンを開く。
「主が気に入って多用してた人材が近くの国にいるらしいね〜?
ちょっと邪魔な政府の高官を間引きして貰えるよう協力お願いしよーかな?
主が気に入った人材だから僕と同士? 同僚? そんな感じの仲間って奴だよね☆
この地球で僕より先に主の依頼受けて仕事してたなんてリスペクトっ☆
素晴らしい献身だよっ☆
んー主の話だとこの情報屋を通せば伝わるらしい?
同僚のサポートしてたなら僕ぁこの情報屋もリスペクトしちゃうねっ☆
えーと情報屋にメッセージで連絡希望っと☆」
んん〜っと慣れない作業を終え、背伸びして体を解す。日が暮れる夕焼けを見ながらさっき済ませた作業を思い出しニヤつく行商人。
「にははっ☆ 返事がすっごい楽しみだな☆
さーて残りの省を平らげに行っくかぁー!」
ハイテンションのまま馬車を走らせ続け、次の畑予定地へと向かう。
残りの省もあっという間に種植えが終わってしまうだろう。それだけの不満が既に蓄積されているのだ。
行商人はただ種を植えただけ。後の水やりや肥料投下は当人や環境によって行われただけである。
それだけのネガティブな下地が出来上がっているのだ、この国には。
彼女にとってはこの上なくやりがいのある畑作りとなっていた。
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