第8話ミリタリーショップで宝物探しに少年は飛び跳ねる

「うっきゃあぁ〜これは○○年モデルの改良版ん!?

欲っしいな〜コレもいい!

あそこにあるのはWW1とWW2のコスプレモデルだぁ!?

流石に生地は現代準拠仕様になってるね、いいな〜コスプレしてサバゲーしたいよ〜」


さっきまでモヤモヤに悩まされていたとは思えないほどのハイテンションで、商品巡りをしている。

実銃の販売スペースと実銃試射ルームもある為、一種のデパートのような面積で種類豊富な商品がズラりと並んでいた。

少年が言っていたWW1やWW2以外にもかなりのジャンルのコスプレを網羅しており、ここで一式買い揃える事が出来るほどだ。

少年は勢いのままに1階の通常装備フロアと、2階のコスプレ装備フロアを交互に行き来し全身で堪能していく。


「よぉ! まーた子犬みてーにはしゃいでんな! 湊ボウズ!」


「あ、海坊主店長! はしゃぐのはしょーがないよ、だってまるで天国だもん!」


「ガハハ! そーかそーか!

そこまで気に入ってくれてるとオレも嬉しいぜ!

そこまで好きならウチの店で店員やってもいーんだぜ? 今いる店は待遇あんま良くねーんだろ?


オレなら学生を理由に激安時給にしねーし、従業員割引でここの安く買えるぞ?

それにお前付きの常連客出来たり増えたらボーナス出すしな!


あと経費で弁当契約してるからお前も頼めばいい! 弁当代の天引きなんてケチなこたぁしねーよ!

それと食堂代わりの大部屋にゃ、ドリンクだけでなくフードの自販機とか色々置いてるから、弁当に飽きた時には自費で買って食えばいーぜ?


いちおう簡易キッチンあっから、持ち込みで作るのも自由だ!

どうよ! 魅力的だろ!? ボウズなら信用して店員任せれるからな! ガッハッハッ!」


「すっごい魅力的なお誘いだね!

明日出勤したら早速辞める事伝えて引き継ぎ頑張ってくる!」


「おぅ、頑張れ頑張れ!

あの店はお前のお陰で最悪な口コミなってねーだけで、レビューにはお前の事心配してる内容ばっかだったぜ?

ありゃー流石のオレも爆笑したわ! ミリタリーショップに書かれる内容じゃねーんだもんよ?」


「そっかー、僕の事を心配してくれてるお客さんそんなにいたんだぁ。嬉しいなぁ」


そんな嬉しい話を聞いて僕の胸はホッコリした。


「おうよ! そんな良い店員ならオレが欲しいと思って誘ったんだ!」


「うん! ありがとう店長!」


謎の嫌な気分はあったけど、今日は良い日だな!

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