第2話街の片隅で違和感を覚える情報屋
「んぁ〜…なーんだこれは? マジで何だコレ?
おれは何に違和感を感じたんだぁ?
情報集めで外歩いたまではいいんだ、だけど途中からどうしようもないほどモヤモヤした違和感が出て消えない。
マジで意味分かんねーよ、これじゃ情報整理に集中出来ねーじゃん」
自宅で頭抱えてうーあー唸っている男が1人。本人は真剣に悩んでいるが傍から見てると唸る不審者である。
「違和感が出たキッカケはなんだ?
いつの間にか違和感が侵食してた感じなんだよな。
今日のおれは何を見た? いつもの日常だろ?
凄い不安を掻き立てる違和感の主張が酷くて仕事になんねーんだけど…」
自分の中に巣食う違和感を潰せなくて不機嫌になるも、情報屋をやっている身としては情報の精査に手を抜く事は出来ず商品に出来た情報は何とか売りさばき一息入れる事に。
「うん、今粗探しのような事しても答えは出ないだろうし、頭の隅に捨て置いとこう。
どうこう考えても情報は出ないし意味がない」
休憩用のコーヒーを飲みながら違和感に囚われてた意識をしっかり切り替えて何とか気持ちを立て直す事が出来た。
「うし、違和感はさておき今日はどうしよっかな?
ハッキングにするか、気分転換の観察散歩するか」
どっちも好きなだけに悩む選択肢である。
もしかしたら違和感の原因を見つける事が出来るかもしれない散歩への誘惑が強い。
よし、散歩にするか。
「服装はどうすっかねぇ?
黒は好きだけど毎回黒にしてたら別の意味で特定しやすいよなぁ?
ん〜…黒はズボンだけで上は気持ちチャラっぽいシャツでいっか。おれもいちおー若者だからな〜。
少しは若者らしいファッションの方が目立たなくて特定されにくいってもんよな。
好きな黒でやると目撃者にいつも黒いの身に付けてますなんて証言されたら、おれしか該当しねーもんな。
たまにはランダムは必要だろ」
趣味から特技に昇格した観察をする為に黒シューズを履き、顔バレ対策の透けないグラサンを掛け、グラサンで威圧的になりやすい状態を緩和する為のぶら下げるタイプのピアスを耳に付けると、スタイリッシュな黒リュックを背負い家の扉を開き外に踏み込んだ。
「さて、不安半分楽しみ半分ってとこだなぁ。
何か面白い事を見つけれたらいいけど」
まだ明るい空の街へ踏み出した情報屋の青年は何か見つけるのだろうか?
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