一章-弐

私は、攻撃隊隊長。

初の攻撃隊、女隊長のため実力は確かだが、女だからと一部の隊員から舐められている。ムカつく。

特に善星。隊長だと言うのに「隊長〜。」「星夭隊長〜!」などと馴れ馴れしく接してくる。どこぞの部隊長ごときが。

舐められている証拠だ、ムカつく。

それにしても、隊長ともなると仕事量が非常に多い。

新人の教育に、他の隊長二人の相手、攻撃隊等のまとめ役、最近では苦手とする書類仕事や強い怪魔の出没も増えていた。

「ストレスで禿げそうだ…。」

「そう。じゃあ明日は休みの日にしてもいいよ。今日ももう帰りな。」

「は。」

自身の隊長専用室で一人ポツリと呟いたつもりだったが、いつの間にやら保隊長さんがいた。

気配に気づけなかった。私が鈍かったのか、さすがは保隊長の実力なのか、あるいはどちらもか。

「はってw。…休み。いるんでしょ?」

いつから居たのか、小さな呟きに気を使われている。

「ありがとうございます…。」

「ううん。気にしないで。私から上に言っておから。」

「何から何まで…。」

「ゆっくり休んでね〜。」

そう言って出ていく。

保隊長の兎磨(とま)さん。高圧的な言葉と、裏がありそうな笑顔。苦手な対象だ。

それでも優しさは本物なので嫌いとまではいかなかった。

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