第8話

二人はお店に到着し、店内のクリスマス仕様のケーキたちに目を奪われながら歩いていった。棚には色とりどりのケーキが並んでいて、どれも魅力的に見えた。葉綾はケーキを指差し、「これ、絶対美味しそう!」と言った。


「うん、でも他にもすごく可愛いケーキがあるよ。」紬央が微笑んで、少し遠くのディスプレイに目をやった。そこには、雪だるまやサンタの顔を模したケーキが並んでいて、どれもクリスマスの雰囲気を楽しませてくれるものばかりだった。


「どれにしようか。」葉綾が少し考え込んで、最終的に一番上に飾られた苺とクリームがたっぷりのケーキを指差した。「これ、どうかな?」


「うん、いいね!これにしよう!」紬央が嬉しそうに答えた。


ケーキを選んだ後、葉綾は少し恥ずかしそうに、「ねえ、プレートを作ってもらえる?」と言った。紬央はちょっと驚いた顔をしながらも、すぐに笑顔を見せた。


「プレート?面白いね。じゃあ、私たちの名前でも入れてもらおうかな。」


葉綾も頷きながら、「こんな時しかできないよね。」と言った。二人はお店のスタッフにお願いして、ケーキに「葉綾❤️‍🩹紬央」と書かれたプレートを乗せてもらうことにした。


「こんな風に名前を入れてもらえるなんて、なんだか特別な気分だね。」紬央が照れくさそうに言う。


葉綾も同じように照れながらも、「こういうの、いいよね。」と答えた。二人はその後、ケーキを受け取ると、外に出る前に再度お互いに見つめ合って、微笑みながら「メリークリスマス」と言った。


その瞬間、寒い空気の中で心が温かくなるような、特別な感覚が二人の間に広がっていた。

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