第5話
葉綾は肩をすくめると、少し自嘲気味に口を開いた。「相手の人、ちょっと年上でコンピューター関係の仕事してて、仕事の話されたけど、私はあんまりよくわからなくて…。」
紬央は頷いた。「話の内容、あんまり理解できなかったの?」
「うん、そう。」葉綾は少しだけ顔をしかめながら言う。「つまんないって思われたのかもね。私、コンピューターのこと全然わからないし。」
「つまんない人だって思われたっていいじゃん。」紬央は言うと、葉綾を見つめた。「だって、葉綾はお笑い芸人を目指してるわけじゃないし。普通の見合いだったんだから、別に面白い話をする必要ないよ。」
葉綾はしばらく黙ってから、少し考え込むように言った。「そうだね。」
「気持ち、わかるけど。」紬央は葉綾の手を軽く握った。
葉綾は深いため息をついてから微笑んだ。
葉綾は軽く肩をすくめながら、ふと視線を下げた。「話を合わせてくれるけど、見下してるような人もいるんだよね。そういう人じゃなかっただけ、まだ良かったのかもしれない。」
紬央は驚いた顔で見つめた。「そんな人、いるの?」
「いるよ。」葉綾は少し顔をしかめながら言った。「表面では話を合わせてくれるけど、実際は私のことを馬鹿にしてたり、見下してたりする人、意外と多いんだよ。そういう意味では、まだよかったのかな。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます