第2.5話 外伝 子守の魔法使い(1) 過去と今

 子守の魔法使い…彼女は異世界転生者だった。

 

 私、子守の魔法使いミナは、約2年間の長い旅が終わり、故郷である迷いの森を歩いていた。子守の魔法使いは、魔王討伐作戦のときにつけられた二つ名だ。

 大学生になって一人暮らしが始まった矢先、私は交通事故に遭ってしまった。そして目が覚めると赤子になっていたのだ。

 異世界転生してからは多忙な日々だった。平和の日々という願いは叶わなかった、

 9歳の時に育ててくれた両親は魔族に殺された。

 12歳の時には魔王討伐作戦に参加をし、人々を魔法で癒していく衛生兵として活躍をした。

 その後、新しい自分を見つけるためという何となくの数年の旅に出て、人と関わり、強くなっていったのである。

 そして今は旅を一旦終えて故郷で休んでいたのでだ。


 自分のことを振り返りながら歩いていると何かを踏んでしまった。

「魔獣か!」

 戦闘の準備をし、下を見ると…それは人だった。

「この服装…」

 制服姿であった彼を見てすぐ分かった。彼は異世界人である。多分転移者だろう。転移した異世界人の運命は残酷なものが多い、突然の転移に戸惑いながら、魔族によって殺されてしまうのだ。

…助けてあげないと…

 覚悟はすぐに決まった。彼を助ける。これが私のこれからの旅の目的だ。

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