第3話 迷いの森での日常(1) 魔獣との遭遇

 僕がこの世界に来てから一週間が経とうとしていた。ミナ…師匠とは仲良くやっている。

「ユーガ、早く走りに行きなさい!」

 師匠は鬼畜であり、毎日基礎体力をつけるための運動、そしてこの世界の常識をつけるための勉強である。もちろんの話だがこの世界は、僕が前まで使っていた言語、日本語とは違うものになっている。

…なぜ師匠と話せることができたのか。

 それは世界の加護の一つらしい。人族である限り僕達は会話ができるとのことだ。しかし字が違うものになっている。つまり僕は、読み書きができないというわけなのだ。

 走りも折り返しについた時黒い影が迫ってきた。

「なんだあれ…」

 よく目を凝らすと赤い目と目があってしまった

 やばい、逃げないと…

 それは魔獣であった。

 この迷いの森に生息している、黒大猪である。この森は夜行性の魔族が多く、昼の今は安全な外すと聞いた。

 とにかく逃げないと行けない…

 全力で走っているが、迫ってくる魔獣にはすぐ追いつかれてしまった。

 魔獣は突進をしてきた。

 魔獣の角が少し擦れて血が出てしまった。しかしうまく避けれたと思う。魔獣はもう一度突進しようとしてきている。その時、よく聞く声がした。

「私の魔素よ従って。いけ!炎の魔槍!」

 魔獣の体に炎が刺さり、血を噴き出し倒れる。

「ちょっと大丈夫?」

 初めて見る圧倒的な力に僕には、駆け寄る師匠が、昨日の夜本で見た魔女に見えてしまった。

「ほら、立てそう?」

 師匠が心配の声をかけてくれた。

「ごめんなさい、立てそうじゃないです。」

 傷の痛みと、疲れで僕は立てそうじゃなかった。

「じゃあ回復魔法を使うね。回復魔法も見るのは初めてだよね、しっかり見てなさい」

 師匠が手をかざす。そうすると自分の身体から緑の光がでてきた。これが回復魔法…凄い力だ。身体の傷がみるみると塞がっていく。疲れもなくなってきている。数分後には僕は普通に立てるまで回復した。

「ほら、言うことあるでしょ」

「助けてくれてありがとうございます。」

 そう言って笑い合う、そうだこの人は僕の師匠なのだ。




 あの出来事から数日立った。

「少し寝坊してしまった…」

 すぐに準備をして外に出ると師匠がいた。

「今日は遅いね。寝坊?」

「すみません」

「そういう日もあるとは思うけど気をつけてよね」

「そんなことは置いといて、今日は武器と魔法を教えるね」

「まずはユーガに武器について知ってもらうわね」


「ここに4つの武器があるね」

紙にうまく描かれた絵には武器が描いてある。

「剣と槍と細剣と大鎌ですか…」

「まず私のおすすめはこれらかな、説明するね。まず私はまとめると速攻型遠距離魔法使い、強みは回復魔法が使えることかな。だから君には近距離で戦ってもらいたい。そして君は異世界人で戦い慣れをしていないんだ、だから使いやすい武器、片手に盾が持てる武器がいいと思う。そして体も鍛えきれてなかったりするから重すぎる武器、素早さを求められる武器は良くないと思った。それから銃は使いやすいし、強いんだけど、魔法との相性が良くなくてお金もかかるからだめ。」

「なるほど…ではなぜ大鎌があるんですか?」

大鎌…かっこよくはあるが使いやすいとは思えないし両手で使う大きさで描かれてるしなんでだろうか?

「魔法との相性が高いからだよ。魔法の相性いいとね、魔法を使う時武器が助けてくれるんだよ。特に鎌は防御魔法との相性がいいからおすすめなの。」

「なるほど…細剣はどうなんですか?」

「剣よりは相性いいけど、鎌ほどではないかな。細剣は軽いからね、よくわかんないけどおすすめだよ。」

 少し適当な師匠に心配を抱きながらも、悩む。

「師匠のこの中でのおすすめはなんですか?僕は今、剣か大鎌で悩んでいますが…」

「この中のおすすめは大鎌かや。魔法使いの私が教えやすいのもあるし、昔に買ったもあるからね」

「昔に買ったんですか?」

「結構前だけどね、私は杖のほうが向いてると思って結果ほぼ使わずに放置してるんだよね」

 大鎌か……かっこいいし…魔法との相性もいい…悩む理由は無いと思った。

「では大鎌でお願いします」

 そして、僕の武器は大鎌になったのだった。

「じゃあ後で倉庫からだしてくるとして…次は魔法について話すよ!」

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