ねこにはなれない和解もしない

@lsd_de_od

ねこになれない和解もしない

人と仲良くなるのが得意だった。

たとえば、猫が誰にでも可愛がられるように みんなが可愛がってくれて優しくしてくれる。そんな幼少期をすごしていたせいか、自分には魅力がある 可愛げがあると思っていた。

けれども現実はそんなに甘くないのである。

歳をとるにつれて、可愛がられることはなくなってきた よくSNSで私ADHDだから〜と言っている人を見かけるので自分も真似をして言っていたのだが、社会に出たことで本当に自分がADHDなのを痛感させられた。たとえばバイト先でメモを取れと言われた時どこをどうやってメモすればいいのか分からずに結局何も覚えられず同じことで叱られてしまう。とても簡単なことなのに、それを覚えることも実行することも出来ずにいる自分がとても嫌になる毎日だった。

恋人に対しても相手のことを考えているつもりが、言ってはいけないことを言ってしまうし相手がして欲しいことは何一つ出来ておらず、浮気をされるし、耐えられずに暴力を振るわれてしまうこともあった。

ADHDとは幼い頃ならわんぱく、おちゃめなどで片付けられる病気だと思うが歳をとるにつれて何も出来ない、馬鹿な人間を表す言葉なのだと実感した。


そんなことより猫にもADHDは存在するのかな?

猫ならADHDでも誰とでも和解できて愛されるんだろうな。

猫の世界のことは知らないけれど、とても羨ましく思う 来世は猫になりたい。 厳密に言えば来世ではなく今世で猫よりも愛される人間になりたいのだけれど、根本的にそうはなれないと、実感してしまった。猫が憎い。猫ならば許されることも自分は許されない。猫ならば可愛いと思われることを自分がしてもかわいくなれない。猫ならば、猫ならば、猫ならば。

猫と和解はできない 猫が憎い 猫になりたかった。


いつか私達も、許されますように 神と和解、出来ますように。

おやすみなさい

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