第10話 プレイボール
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お揃いの黄色いユニフォームを纏ったチームバナナボールに対するは、おろしたての東方共栄学園の制服を纏った俺たち。
こちらのメンバーはナインに満たなかった為、助っ人を用意した急造チームながらも一応ナインが成立。
個性的なパフォーマンス集団、あるいは野球という名の大道芸人の集ったチームバナナボールに負けない程度には、個性的なメンツが揃ったはずた。
「チー」
「ポン」
そうそう、こういう感じで声をかければ自然とメンツが揃ってくるわけだ。
早速スターティングメンバーの紹介といこう。
——1番 キャッチャー カザミ ヒナコ。
身長144cmのクソチビポメ柴は、とりあえずどっしり構えていられるポジションとしてキャッチーをやってもらう。
走ればフォレストガンプ、投げれば近眼故に送球難だが、基本的に冷静沈着でありとってもクレバー。
今でこそすっかり丸くなったものの性格は狂犬ポメ柴だからこそ、喧嘩上等の強気なリードに期待できる。
クソ度胸もあり、本塁に突入されてもきっと動じないことであろう。
——2番 ファースト コウサカ ナギサ
身長191cm、フィジカルとセンスにおいてナギ姐に適うやつはいない。
必ず捕球しなきゃいけない、バント処理などファーストは仕事が多いからこそ、確実な仕事を求められるポジション故に、ナギ姐が最適だろう。
恐怖の二番打者として、先制点に期待したい。
——3番 ピッチャー ウィラ・フォン=ノイマン
身長175cmのサウスポーであるウィラは、当然ピッチャーに抜擢。
優れた身体能力と頭脳、判断力で試合を作ってくれることだろう。
打順的にも彼女を3番に置くことに異論はなく、エースの自援護にも期待したい。
——四番 ショート イナ ヨリカツ
実は前前世で野球経験者だった兄貴だからこそ、ショートは任せたい。
兄貴の守備範囲、そして経験者だからこそ4番で本領発揮してもらえるといいね。
——5番 セカンド オバタ カズサ
同じく守備範囲の広いカズサさんには、センターラインであるセカンドを守ってもらう。
グンマーのからっ風文化で育った脚力、優れた状況判断力による機転を利かせるカズサさんは、とても心強い。
もちろん5番に座るということは、打力にも期待が持てるって訳だ。
——6番 ライト ジェニファー=ズザンネ・サマーフィールド
今回の外国人枠を務めるジェニファーは、野球の本場出身であることを活かしてくれるといいね。
チームバナナボール部が、どれぐらいの技量かわからない以上、もしかしたら流しで強い打球が飛んで運動量の多いポジションになるかもしれないし、逆に暇になるかもしれない。
——7番 レフト 卓球部のタナカくん
人数が足りない、そんなときにたまたま通りがかった彼にお願いしたところ、快く承諾してくれたいい奴。
画面の向こうの皆様、現実世界において人数が足らず、ライトが卓球部だったチームからプロ野球選手が誕生したのであるから、そういった事例にあやかろうと言うわけだ。
——8番 サード 工業科のキタバ先生
バナナボールに興味を示したのは、なにも東方共栄学園の生徒だけではない。
工業科の教員であり、空手部の顧問でもあるキタバ先生は、独特の感性をお持ちのようでよく生徒たちに混ざって交流を深めている。
バナナボール部に対して、工業科として協力していることもあってか、よく顔を出しているらしい。
とりあえずサードを定位置だと言わんばかりに、自ら守備位置に付いたことで、俺らのチームは後攻となった。
ライナーやゴロなどの強い打球をどう処理してくれるか、未知数だが、午後の授業は無いらしく、勝手に参加してきたノリはとても素晴らしい。
ところでキタバ先生、野球経験は?
——9番 自称打てない、走れない、守れないDHを希望したセンター イナ トラチヨ
ああ、俺だ。早く帰りたいので打順の回らない9番を希望した。
打球が抜けたら動き回らなければいけないポジションではあるが、レフトのタナカくんのカバー、ジェニファーとの連携的にこのポジションを担う。
メンバー紹介はこんなところで、あとは実際にやってみてからのお楽しみってところだ。
それじゃ、プレイボール————。
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